34のプライベートブランドが、アマゾンに1100億円超の利益をもたらす可能性

ジェフ・ベゾス

アマゾンのCEO、ジェフ・ベゾス氏。

Michael Seto/Business Insider

自社ブランド商品を売ろうとするアマゾンの努力が、同社のビジネスに膨大な利益をもたらすかもしれない。

EC界の巨人アマゾンは、ハンバーガーから化粧品まで、34のプライベートブランド(PB)商品を市場へ投じている。モルガン・スタンレーのアナリスト、ブライアン・ノワック(Brian Nowak)氏は10日(現地時間)、発表したメモの中で、これらPB商品の売り上げは2019年までに、同社に合わせて10億ドル(約1100億円)の粗利益をもたらす可能性があると指摘した。

粗利益(売上総利益)は、企業が提示する販売価格と、その商品の仕入れ・製造・流通にかかる原価の差だ。

アマゾンのPB商品への取り組みはまだ「初期段階」だとする一方、ノワック氏は同社には大きなチャンスがあると述べた。PB商品が競合他社同様、成功すればなおさらだ。

これこそが「PBが過熱している理由だ。市場が大きく、他の大手小売業者も利益を上げている」と同氏は言う。

ノワック氏が算出した10億ドルという粗利益は、アマゾンのPB事業が今後2年間で、同社の売り上げ総額の5%程度で成長すると仮定した数字だ。同氏は、今年に入って現時点までにアマゾンがPBで上げた収益を2億5000万ドル、売上総額の約0.15%と推定している。

ノワック氏の分析によれば、アマゾンのPB商品は9つのカテゴリーに及ぶ。これにはアパレルブランドの「Lark&Ro(ラーク&ロー)」やバッグや電池を含むさまざまな日用品を展開する「Amazon Basics(アマゾン・ベーシック)」、家具ブランドの「Strathwood(ストラスウッド)」が含まれる。

しかし、アマゾンの挑戦はこれからだ。例えば、同社のPBには約2400のアパレル商品があるとノワック氏は見積もっているが、同氏の調査によると、カルバン・クラインやマイケル・コースといった競合ブランドは通常、その5〜8倍の商品を販売している。

また、アマゾンのPBではのりやテープといった工作アイテムは3点しか見あたらないが、そういった商品なら、Elmer'sやScotchが自身のブランド名で数百アイテムを提供している。 つまり、アマゾンにはさまざまな商品カテゴリーでPB商品を拡大する余地がある。

もう1つのチャンスは、アマゾンはより多くの買い物客にPB商品の購入を勧められることだ。ノワック氏の調査によると、アマゾンでアパレル商品を買った客のうち、35%がナイキの商品を購入した一方、同社のPB「Amazon Essentials(アマゾン・エッセンシャルズ)」の商品を購入したのはわずか8%だった。同社の他のアパレルブランドでは、その数値はさらに下がる。

「情勢は、アマゾンがPBを気にかけていることを示している」とノワック氏は記した。「だが、まだ初期段階だ」

ラーク&ロー

アマゾンのプライベートブランド「Lark & Ro(ラーク&ロー)」。ワンピース、アウター、スポーツウェアといった女性用のアパレル商品を販売している。

Amazon

実際、出遅れた感は否めないが、アマゾンに諦めるつもりはなさそうだ。同社は数カ月にわたって、密かにPBを成長させてきた。中でもアパレル事業においては、2016年7月、アマゾンはソフトウエア・エンジニアの求人募集で、「ファッション分野でナンバーワンのオンラインショップ」になりたいと書いている。

同社は2016年初めまでに、すでに7つのアパレルブランドを立ち上げていたが、モルガン・スタンレーの分析によれば、今やその数は最大19ブランドに上る。

アマゾンがアパレル事業に重点を置いている理由は単純で、それはおそらくモルガン・スタンレーがアマゾンのPBに対して、一般的に非常に強気な見通しを持っている理由と同じだ。アメリカでは、全ての小売業のうちアパレル商品が最も高いEC率を誇っている。

モルガン・スタンレーの2016年7月のメモによれば、アメリカの消費者は、他のどのタイプの商品よりも、アパレル商品をオンラインで購入する。当時の時点で、買い物客の52%が過去1年間にオンラインでアパレル商品を購入していた。

[原文:Amazon's 34 private label brands could add a billion dollar boost to its business (AMZN)

(翻訳:本田直子)

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