最大の不安は? —— 6人の大物投資家の答えは、すべて同じ

不安のイメージ写真

「ホワイトウォーカー」(氷でできた架空の生物)になってしまったトレーダー。FRBによるバランスシート縮小についての恐ろしい会話で凍りついてしまった。

AP Images / Bernd Kammerer

夜も眠れないほど不安なことは?

巨額の資金を運用する投資家にこの質問をしたら、さまざまな答えが返ってくるだろう。不安をかき立てるニュースが日々世間を騒がせ、心配ごとに事欠かない。

だが、Business Insiderが何人かの投資家に質問したところ、全員の不安は同じ1つのことだけだった。前例のない金融刺激策を、連邦準備制度理事会(FRB)が転換するのではないかという不安だ。

この方針転換は一般に、FRBによるバランスシートの「縮小」、あるいは「正常化」と呼ばれる。そして、方針転換が行われるのではないかという見通しだけで、経験豊富な投資家は震え上がってしまうようだ。

信じられない? そう思うなら、Business Insiderが6人の投資家に行ったインタビューの抜粋に目を通してみてほしい。彼らは皆、恐ろしい結末を描いている。


マイク・ライアン氏:UBSウェルス・マネジメント・アメリカのチーフ・インベストメント・ストラテジスト(運用資産額:1兆1000億ドル)

マイク・ライアン氏

Business Insider

夜も眠れないほど常に心配していることは、政策のミスだ。私は人々に、「私はいつも、世界中の中央銀行は一つ残らず、過ちを犯す可能性があると考えている」と言っている。絶対に確実なことなどない。絶対に間違わないと公言しているのはバチカン市国だけだ。中央銀行はそうではないし、間違わないと公言していない。さらに私たちは、歴史上、最大の金融政策実験を生き抜こうとしていることを肝に銘じなくてはならない。こんなことは今までにない。


FRBやイングランド銀行、欧州中央銀行、日本銀行などを考えてほしい。各国の中央銀行が取り組んでいるのは、途方もないバランスシートの拡大、いわゆる量的緩和だ。市場の安定と経済の回復を図るという点において、量的緩和は異例だった。そして今、私たちは政策正常化のプロセスの、かなり初期段階にある。ちょっとしたチャレンジになるだろう。ルールブックもなければ、行き先を示してくれる道しるべもないのだから。


必要なのは、中央銀行による賢明な行動だと私は思う。中央銀行は、政策の方針転換について慎重でなくてはならない。目的や方法について、マーケットに対してオープンで透明性を持たなくてはならない。最大の懸念は何かと問われれば、それは政策のミスだろう。中央銀行はいつかどこかでミスをする。行動が早すぎるか、遅すぎるかだ。

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デニス・ルール氏:JPモルガンの行動ファイナンス・エクイティ・グループのチーフ・インベストメント・オフィサー

デニス・ルール氏

Business Insider

いくつかある。そのうちの1つはもちろん、量的緩和が縮小されて、何かとんでもないことが起きる可能性だ。その原因を生むのは、アメリカ以外の地域ではないかと思う。可能性はさほど大きくないが、心配だ。

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マーク・ハフェル氏:UBSウェルス・マネジメント・アメリカのグローバル・チーフ・インベストメント・オフィサー(運用資産額:2兆ドル)

マーク・ハフェル氏

Business Insider

私たちにとって一番の懸念は、FRBの政策だ。FRBが金融刺激策を、あまりにも大規模に、あまりにも早急に解除してしまったら、経済が悪化に転じる原因となる可能性がある。パーティーを強制的にお開きにするようなものだ。

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デイビッド・ハント氏:PGIM社長兼CEO(運用資産額:1兆ドル以上)

デイビッド・ハント氏

Business Insider

私たちが深刻な金融政策の危機に直面していることは間違いない。つまり、過去30年で、経済活動の多くが、FRBはもちろん、世界中の中央銀行とその極めて緩和的な政策にこれほどまでに依存しているのは初めてだ。FRBや各国の中央銀行が、効果的な方法で金融政策の正常化に着手するかどうかに多くが委ねられている。


さらに、金利をいつ引き上げるのか、どういうペースで引き上げるのかだけでなく、バランスシートをどうするのかだ。FRBにとっての大きなチャレンジは、バランスシートの正常化をどのようなペースで進めていくかだ。それが、投資家が直面する大きなリスクとして残ると思う。

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マット・マクレナン氏:ファースト・イーグル・インベストメント・マネジメントのグローバル・バリュー・チーム責任者(運用資産額:550億ドル)

マット・マクレナン氏

Business Insider/The Bottom Line

緩和政策の間、私たちは成長株をたくさん買ってきた。そして今、政策的な環境は金利上昇によって厳しくなりつつある。FRBはバランシートの縮小を検討している。期待される利益が小さくなる中では、政策を取り巻く環境はより扱いにくいものになり得る。

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ビル・シュルツ氏:マックイーン・ボール・アンド・アソシエイツのチーフ・インベストメント・オフィサー(運用資産額:12億ドル)

ビル・シュルツ氏

LVB.com

バランスシートの縮小がどのくらいのペースで進むのかが、本当に不安を左右することになるだろう。確かに、状況には不確実さが伴う。ただし、縮小が緩やかなペースで進めば、マーケットはそれに備えることができる。そうなれば、マーケットが恐れるほどの向かい風は吹かないだろう。だが、バランスシートの縮小と金利引き上げのペースが速ければ、リスクはより大きくなる。

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[原文:We asked 6 big-money investors about their biggest fears — and they all had the same answer

(翻訳:遠藤康子/ガリレオ)

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