北朝鮮のミサイルは97%迎撃可能? トランプ大統領、米ミサイル防衛を過信か

トランプ大統領

原子力空母ジェラルド・R・フォードで演説するトランプ大統領(2017年3月2日)。

AP Photo / Steve Helber

アメリカのトランプ大統領は11日夜(現地時間)、FOXニュースのショーン・ハニティー(Sean Hannity)氏とのインタビューで、北朝鮮危機について議論、自国のミサイル防衛に対する危険なほどの過信を露呈した。

北朝鮮の核兵器、ミサイル計画がアメリカに及ぼす脅威について聞かれたトランプ大統領は、これは過去の政権で対処すべき問題だったと述べ、アメリカが主導する北朝鮮への制裁措置に協力する中国の対応を称賛した。

しかし、大統領はアメリカの対北朝鮮防衛について、あまり当てにならない部分まで信用しているようだ。

「我々は世界で最も優れた軍事配備を築き上げている」トランプ大統領はハニティー氏に語った。「我々は上空のミサイルを97%迎撃できるミサイルを有している。2発発射すれば完全に打ち落とせるだろう」

トランプ大統領がどのミサイル防衛に言及したのかは定かではないが、大陸間弾道ミサイル(ICBM)からアメリカ本土を守るためのプログラムは1つしかない。地上配備型ミッドコース防衛(GMD)システムだ。

憂慮する科学者同盟(UCS)世界安全保障プログラムの上級研究員を務めるローラ・グレゴ(Laura Grego)氏によると、GMDがICBMを「1発で撃ち落とせる確率」は不明だ。

グレゴ氏は、「楽観的な状況下」でも、GMDがICBMを1発で迎撃できる確率は約50%で、飛来するICBMに向けて4発の迎撃ミサイルを発射すれば、その確率は94%まで上がると言う。

同氏の考えは、アメリカミサイル防衛庁が公表したGMDの実績と一致する。

アメリカには迎撃率97%近いミサイル防衛システムもあるが、アメリカ本土全域をICBMから守る能力はない。

迎撃実験

弾道ミサイルを迎撃するGMD。カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地で試験発射された。

Thomson Reuters

トランプ大統領の過信は、北朝鮮の核弾頭を搭載したICBMの開発によりアメリカに突き付けられた真の脅威を、危うくも無視しているというサインかもしれない —— あるいは戦略の一部という可能性もある。

北京の国際平和カーネギー基金、原子力政策プログラムの北朝鮮専門家トン・ジャオ(Tong Zhao)氏は、核保有国は、敵対国の能力について最悪の場合を想定しなければならないとBusiness Insiderに語った。

北朝鮮は意図した目的の達成が確実でない限り、基本的にアメリカにミサイルを発射することはないだろうが、北朝鮮が「(自身の)核抑止力が通用すると考えることを、アメリカは決して許さないだろう」とジャオ氏は言う。

それを裏付けるかのように、アメリカはミサイル防衛への投資を継続させ、北朝鮮の指揮系統を壊滅させるサイバー攻撃の能力について言及している

軍事パレード

北朝鮮での軍事パレード。

Thomson Reuters

信頼に足る核抑止力を数十年にわたり有している中国でさえ、韓国に配備されたアメリカのミサイル防衛システム、高高度防衛ミサイル(THAAD)を恐れている。アメリカの攻撃に対し、中国が無防備になると考えているのだ。

しかし、ジャオ氏は、トランプ大統領の虚勢は北朝鮮に対する抑止になるかもしれないが、一方でその不安から北朝鮮がより危険な核、ミサイル実験に突き進み、アメリカと北朝鮮の膠着状態を悪化させる可能性もあると指摘している。

[原文:Trump may be dangerously overconfident in US missile defenses against North Korea]

(翻訳:本田直子)

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