Google Maps
今から数年前、グーグルは宇宙空間に存在する天体を自由に探索できる機能を追加したが、この体験はこれまで、同社の3D地図ソフト「Google Earth」にほぼ限られていた。
しかしグーグルは先週、「Googleマップ」に「Planets」という新機能を追加すると発表。これにより、ウェブブラウザから直接探索できる範囲が大きく広がった。
ただ、名称は「Planets」だが、探索できるのは惑星だけではない。衛星や準惑星、さらには国際宇宙ステーション(ISS)まで、さまざまな場所を見ることができる。
しかし、この「Planets」には検索ボックスがないため、例えばアポロ計画の月面着陸の場所を探そうとしても、見つけるのは難しい。また、表示画像の回転、拡大にも制約があり、天体の極に近いエリアでは特に顕著だ。
それでも、宇宙空間のさまざまな場所を眺めるのは楽しく、我々が住む太陽系について新たな視野を提供してくれるのは間違いない。
Googleマップで見られる宇宙の名所の中から、Business Insiderがオススメする6つのスポットを紹介しよう。
国際宇宙ステーション
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Googleマップが最初に案内してくれるのは、国際宇宙ステーションの観測用小型ユニット「キューポラ(Cupola)」の内部だ。複数の窓がはめ込まれたこの場所からは、地球を見下ろすことができる。また、画像を回転させて「Node 3(第3結合部) 」をクリックすることも忘れないでほしい。ここは、NASAの有名な廃棄物衛生区画(Waste and Hygiene Compartment:WHC)、つまりトイレだ。
トイレの隣には、比較的新しい「水再生システム(Water Recovery System:WRS)」がある。
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この装置は、宇宙飛行士の尿や室内の湿度を利用し、その93%を飲料水にリサイクルする。
そのさらに奥には、「船外活動ユニット」と呼ばれる宇宙服が置かれている。
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月
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Googleマップで表示される天体画像は、継ぎ目の目立つものが多い。これは、NASAや欧州宇宙機関(ESA)などから入手した、現時点で最も高解像度の画像を、比較的解像度が低い画像に重ね合わせているためだ。
見当がついていれば、探査船が着陸した場所も探し出すことができる。これはアポロ15号の着陸地点。
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火星
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火山や深く刻まれた渓谷、無人探査機が確認できる火星は、Googleマップで探索できる最も面白い惑星と言えるだろう。
数十年にわたって人工衛星が収集してきた画像や、起伏の高さを含むその他のデータにより、火星の渓谷を縦走する感覚を疑似体験できる。
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火星の渓谷は、太陽系の中で最も深い。イーロン・マスク氏率いるスペースXの火星移住計画が実現すれば、実際に探索できるようになるかもしれない。
エンケラドス
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氷に覆われたこの土星の衛星は、一見何の変哲もないようだが、今や太陽系の中でも最も興味をそそる探査対象の1つとなっている。
エンケラドスの南極付近にある「タイガー・ストライプ(虎縞)」と呼ばれる複数の亀裂からは、水蒸気などが噴出する間欠泉のような現象が観測されている。NASAはこの現象を何度も撮影し、その中を通り抜けてきた。
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ケレスには、オッカトル・クレーターの中の白く明るい点など、いまだ解明されていない特徴が数多くある。
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研究者らは、こうした明るい点は氷が溶けた後に残った塩類ではないかと考えている。また、セレスにはピラミッド状の地形も存在する。
冥王星
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2015年7月まで、冥王星の真の姿を目にした者はいなかった。しかし、NASAの無人探査機ニュー・ホライズンズ(New Horizons)の高速フライバイ(接近通過)により、状況は一変した。このミッションにより、地球から遠く離れた、氷に包まれたこの天体の地表下に、海がある可能性が明らかになった。
Googleマップには、起伏に富む冥王星の地形の高低に関するデータはないものの、画像だけでも非常に印象的で、その地表を探索するのは楽しい体験だ。
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今回画像が公開された領域の反対側には、まだ謎の多い広大な領域が広がっている。この部分を解き明かす新たな宇宙探査計画に期待したいところだ。
[原文:Planets and moons are now part of Google Maps — here are 6 incredible worlds you must explore]
(翻訳:長谷 睦/ガリレオ)