Mad Men / Facebook
アメリカの大企業の大半は、今も白人の年を重ねた男性が経営している。最新調査の結果、こうした経営者は組織のダイバーシティ(多様性)に対する関心が薄い。
PwCが行ったこの調査では、3分の1近くの男性が、ダイバーシティに対して、社会の関心がもっと低ければよいと考えていることが分かった。31%の男性が、ダイバーシティは注目され過ぎていると考える一方、同様に考える女性は4%だった。
この調査は866人のアメリカの上場企業の取締役を対象に行われたもので、女性が占める割合は14%だ。
主な結果は次の通り:
- ジェンダーに関するダイバーシティについて、「非常に重要」と回答したのは、男性で35%、女性で68%
- 人種に関するダイバーシティについて、「非常に重要」と回答したのは、男性で20%、女性で42%
- 80%の女性が、ダイバーシティの実現には、時間がかかり過ぎていると感じている一方、同様に考える男性は33%
ダイバーシティの重要性に関する全ての質問で、女性は男性に比べ、圧倒的にさまざまなタイプのダイバーシティ(年齢、社会的・経済的階級、人種など)が重要だと考えていることが分かった。例えば取締役会における人種のダイバーシティについて、「非常に重要」と回答した女性は74%だったが、男性は26%にとどまった。
女性の取締役は、男性に比べ圧倒的に、ダイバーシティが重要だと考えている。チャートは各項目のダイバーシティについて、「非常に重要」と回答した男女の割合を示したもの。左(ピンク)が女性、右(赤)が男性。項目は上から、ジェンダー、取締役の在任期間、年齢、人種、国際的なバックグラウンド、社会的・経済的バックグラウンド。
PWC
男女間でこれだけの差が出る大きな理由として、PwCのGovernance Insights Centerを率いるポーラ・ループ(Paula Loop)氏は、取締役会の大半が、現在の一般社会の空気感とは異なる環境で育った、年を重ねた男性であることを挙げる。
S&P 500に限れば、50歳以下の取締役はたった4%、大半が男性だ。
「彼らが働き始めた頃の環境とはギャップがある」ループ氏はBusiness Insiderに語った。「(だから)取締役会に何かが足りないとは感じていない」
ただ、明るい兆しもある。ループ氏によると、ジェンダーに関するダイバーシティについては、非常に重要だと考える男性の割合が昨年に比べ、若干増えている。これはジェンダーの多様性を重要なトピックとして押し上げた機関投資家のおかげだと同氏は言う。
[原文:A huge chunk of men who rule corporate America would prefer if everyone focused less on diversity]
(翻訳:編集部)