アマゾンが製作するドラマシリーズ(タイトル未定)に出演予定だったロバート・デ・ニーロ。
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- アマゾンは、ロバート・デ・ニーロが主演する予定だったドラマシリーズ(タイトル未定)の製作を中止した。同作品の製作費は、1億6000万ドル(約180億円)と報じられていた。
- 製作の中止は、このドラマシリーズのプロデューサーであるハーベイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏とアマゾン・スタジオの社長ロイ・プライス(Roy Price)氏に対するセクハラの申し立てを受けたもの。
- その後の報道で、同作品にはすでに4000万ドル(約45億円)が費されていたことが分かった。
アマゾンは先週13日(現地時間)、ロバート・デ・ニーロとジュリアン・ムーアが主演する、製作費1億6000万ドルと報じられていたドラマシリーズ(タイトル未定)について、同作品のプロデューサーだったハーベイ・ワインスタイン氏に対するセクハラや性的暴行の申し立てを受け、その製作を中止したと発表した。
今週18日のハリウッド・リポーターの報道によると、撮影開始前のプリ・プロダクション(編集部注:脚本の完成やキャスト・スタッフ集めなど)に、すでに4000万ドルが費やされていた。
同作品の監督に、映画『世界にひとつのプレイブック』などで知られるデヴィッド・O・ラッセル(David O. Russell)監督を起用したのは、アマゾン・スタジオの社長ロイ・プライス氏だ。だが、そのプライス氏も、アマゾンがこのドラマシリーズの製作中止を発表する前に、同社のドラマ『高い城の男(原題:The Man in the High Castle)』のプロデューサー、イサ・ハケット(Isa Hackett)氏からセクハラ被害を受けたと告発され、出勤停止処分となっていた(プライス氏はその後、17日に辞任した)。
ハリウッド・リポーターによると、プライス氏はこの大型作品の製作がうまく進むよう、ワインスタイン氏を手助けしていた。だが、現場は早い段階から「カオスだ」と報じられていた。そしてプライス氏も辞任した今、アマゾンは同作品の製作のために投じた4000万ドルと向き合わなければならない。
1話につき100万ドル(約1億1300万円)と言われるデ・ニーロのギャラを含め、同シリーズの製作費は高い。Indiewireによると、こうしたコストの高さが、HBOといった他のケーブルテレビ局のドラマ製作の足かせとなっている。今回のドラマシリーズは、2シーズン、20話を予定していた。
アマゾンによるドラマの製作中止の決定を受け、主演予定だったロバート・デ・ニーロ、ジュリアン・ムーアとラッセル監督は13日、共同で次のコメントを出している。「最近のニュースを考慮したアマゾンの決定を支持します。被害を受けた方々に配慮し、私たちはこの作品をこれ以上、進めないと決めました」
(翻訳:本田直子)