ドコモ冬春スマホ“本当の買い”は「Xperia XZ1」と「LG V30+」だと思う理由

NTTドコモの冬春モデル

NTTドコモから、この秋冬に発売されるスマートフォンの新ラインナップが発表された。2画面の折りたたみ端末「M」や、大画面でペン入力可能な「Galaxy Note 8」が話題だが、筆者は今回買うべきハイエンド端末の本流はそこではないと思う。

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たとえば10月末にドコモが導入する、4つの周波数帯が束ねられる最新、最速のネットワーク技術「4CA」に対応し、なおかつ出荷時に最新OSのAndorid 8.0を搭載しているのは、ソニーの「Xperia XZ1」と「Xperia XZ1 Compact」、LGの「V30+」と「JOJO」の4機種だけだ。「Galaxy Note 8」も4CA対応だが、出荷時のOSはAndroid 7.1となっている。

なお「Xperia XZ1 Compact」は「Xperia XZ1」のサイズ違いで、「JOJO」は「V30+」ベースの限定モデル。つまり、今回発表されたラインナップから、スペック、OS、対応ネットワークのすべてにおいて最新最速のハイエンド端末を選ぶなら、本命は「Xperia XZ1」か「V30+」の2択ということになる。

大小登場した最新「Xperia XZ1」と「XZ1 Compact」

Xperia XZ1

「Xperia XZ1」カラーはムーンリットブルー、ビーナスピンク、ウォームシルバー、ブラックの4色。

「Xperia XZ1 SO-01K」は、今夏発売された「Xperia XZs」の後継モデル。発売は11月上旬予定。ディスプレイサイズやデザイン、メモリ積層型のイメージセンサーを搭載するカメラなど、基本的なところは前モデルから継承しつつ、CPUや内蔵メモリーアップデート。さらにディスプレイ、カメラ、サウンドそれぞれに、新たな機能も追加されている。たとえば5.2インチのフルHDディスプレイは今回、HDRに対応。すでにdTVやネットフリックスでスタートしているHDR対応動画配信で、より色域の広い色鮮やかで自然表現が楽しめる。

Xperia XZ1

デザイン面でもメタルの成型方法を変更したというだけあり、前モデルではやや気になった継ぎ目のラインが消え、すっきりとした背面になっている。

カメラはシャッターチャンスを逃さない「先読み撮影」に、笑顔を検出して自動撮影、ベストショットを抽出できる機能が追加された。ほかにも連写時に動く被写体にピントを合わせ続ける機能などを搭載。走り回るペットの撮影などに役立ちそうだ。

さらにカメラではもうひとつ、「3Dクリエイター」というユニークな3Dスキャン機能が追加されている。カメラを使って顔をスキャンし立体成型できるというもので、ソニーモバイル独自の機能だ。自分のリアルな3Dフェイスを作ってLINEなどのスタンプにしたり、マチキャラにしたりできる。加えて3Dデータを使い、そっくりのフィギュアをオーダーすることもできる。

Xperia XZ1

作成できるモデリングは全身と顔の2パターン。いずれもかなりリアルなデータが撮れる(写真は同機能を持つ「XZ1 Compact」)。

XZ1で3Dモデリングしたフィギュア

モデリングデータを用いて、一体数千円程度の価格でオリジナルフィギュアを作成することも可能。

サウンド面ではBluetoothでより高音質な伝送ができる「apt-X HD」に対応。Bluetoothヘッドフォンでより「いい音」で再生できるようになった。ちなみに「Xperia XZ1」とソニー製のBluetoothヘッドフォン「h.ear on 2 Mini Wireless」は本体カラーが統一されていて、コーディネートを楽しめるようになっている。前モデルに比べて音量が約50%アップしたというスピーカーは発表会場でも迫力十分。HDR対応となったディスプレイとあわせて、動画を楽しむスマホとしては、上位モデルの4K対応「Xperia XZ Premium」と並んで魅力的なデバイスだ。

Xperia XZ1 Compactのカラバリ

「Xperia XZ1 Compact」(11月中旬発売)は、カメラなどほぼ同等の機能を備えたコンパクトモデル。ディスプレイがHDとなるため、動画を楽しむなら「Xperia XZ1」がおすすめだ。

「Xperia XZ Premium」にも新色が追加された。笑顔に対応した先読み撮影やオートフォーカス連写、3Dクリエイターの機能は、アップデートで「Xperia XZ Premium」でも使用可能となる予定だ。

ドコモ冬春2017発表の隠れた注目モデルは「LG V30+」

LG V30+

カラーはクラウドシルバーととオーロラブラックの2色。幅広いターゲットにアプローチするなら、もう少しバリエーションが欲しかったところ。背面の表面素材はアクリルではなくガラス出そう。上質感が漂う。2018年1月以降発売。

「V30+ L-01K」は今回発表になったラインナップの中で、筆者が最も魅力を感じたスマートフォンのひとつだ。6インチ、18:9の有機ELディスプレイを採用し、画面が大きく見やすく、色鮮やかというのがその理由のひとつ。

LGは今や有機ELパネルのトップメーカーであり、その同社が満を持して投入する有機EL、しかもHD対応のディスプレイだけに映像の表現力はかなりのものだ。さらに驚いたのは、6インチのディスプレイを搭載しながら、薄さ7.39mm、重さ158gという軽さ。これは5.2インチの「Xperia XZ1」とほぼ同じサイズ感、一方でiPhone 8 Plusとの比較では、なんと44gも軽い。

サウンドはハイレゾ再生に対応。高級オーディオメーカーBang&Olufsenの派生ブランドである「B&O PLAY」のイヤホンも、海外の一部地域では別売だが日本仕様には同梱される。

LG V30+

実は日本で販売されている有機ELテレビのパネルは、そのほとんどがLG製というくらいのシェアを持つLG。今回はHDR対応クアッドHD解像度(2880×1440ドット)の有機ELディスプレイを搭載する。

今回、個人的に最も気に入ったのが「V30+」のカメラ機能だ。背面に標準&広角のダブルレンズカメラを搭載し、標準レンズの最小F値はなんと1.6。暗いシーンもかなり明るく撮れるが、それだけでなくほかのスマホにはない、ユニークな機能が充実している。

たとえば動画撮影時に可能な「ポイントズーム」機能。カメラをズーム操作すると、通常ファインダーの中心が拡大されるが、この機能を使うと目指す被写体が画面の端にいても、そこをめがけて自然にズームアップできる。デジタルズームの再定義的な機能だ。初めて使うときはなんとも不思議な感じがして、面白い。

このほかにも動画を撮影しながら、リアルタイムに様々なフィルタで演出できる機能、画面を分割してフロントカメラ、リアカメラの両方同時に動画が撮れる機能など、オリジナリティあふれる撮影モードがいろいろと用意されている。

LG V30+

シャッターを切るとすぐにSNSに投稿可能なアイコンが表示される便利な機能も。写真を撮ってから投稿までスムーズ。

「V30+」のもうひとつの魅力は、グーグルの最新VR環境「Daydream」プラットフォームに対応していること。「V30+」購入者向けには、グーグルの最新型「DayDream VRゴーグル」がもらえるキャンペーンも展開される。

Daydream

VRコンテンツにどっぷりとはまれる、最新の「DayDream VRゴーグル」がもらえるキャンペーンを予定。

ジョジョ

「V30+」をベースに、「ジョジョの奇妙な冒険」30周年記念のコラボ限定モデルも発売予定。原作者荒木飛呂彦氏デザインの外観に、オリジナル壁紙なども多数よういされるという。

どちらのスマートフォンも映像と音、カメラにこだわり、特に動画コンテンツを楽しむのに適したモデル。両機種が対応する4CAは下りの最大速度が788Mbpsで、電波の掴み方の最適化もしやすい仕組みのため、全体として実効速度が速くなるメリットがある。

高画質な映像を楽しめるディスプレイ、サウンドとネットワーク環境を備え、さらに動画を小窓再生できるピクチャーインピクチャー対応のAndroid 8.0を搭載。動画配信系のサービスがますます充実してくる中で、買って後悔のないエンタメモデルだと思う。

(文、写真・太田百合子)

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