恋愛も結婚も、ネットで出会った方がうまくいく? —— 科学者が指摘

スマホをのぞく女性

直接出会うよりネットで出会う方がうまくいく? その理由は複雑だ。

Sean Gallup/Getty Images

  • 新たな調査によれば、パートナーは直接出会うより、ネットで出会った方がうまくいく可能性が高いことが分かった。
  • 夫婦関係も、ネットで始まった結婚の方が、直接出会った結婚よりも強い絆があり、長続きするという調査結果が増えている。
  • 今回の調査は、オンラインデートがより強い絆を生むことを証明するものではない。ただ、出会い系サイトに登録する人は、より恋愛に関心があるということは確かだろう。

恋人との出会いを聞かれて、「ネットで」と答える人は多い。

「ニューヨークの地下鉄で、たまたま同じマイナーなフランス小説を読んでいたのがきっかけ」とか「幼稚園生の頃からの親友同士で、ある日突然ビビッと来た」なんて話ができたら、どんなにいいだろう。

しかし、スワイプやクリックで結ばれたカップルにも、愛をつかむことはできる。むしろ、ネットで出会った2人が結婚した場合、直接出会ったカップルよりも満足度の高い結婚生活を送る可能性が高い。

そして、このアイデアを支持する調査結果は増えている。最近では、「MIT Technology Review」の記事が引用した、イギリスにあるエセックス大学のジョスエ・オルテガ(Josué Ortega)氏と、オーストリアにあるウィーン大学のフィリップ・ヘルゴビッチ(Philipp Hergovich)氏の研究が挙げられる。

2人の研究は、無作為に選んだ1万人以上を対象に、それぞれの集団の中で出会い系サイトを通じて生まれる恋愛関係をシミュレーション。ある集団の中の2組のカップルの相性を測定し、カップルの絆の強さを評価した。すると、集団の中に出会い系サイトがある方が、絆は強くなることが分かったのだ。

現実社会で行われた過去の調査でも、ネットで始まった恋愛の方が、直接出会った恋愛よりも優位な傾向にあることが分かっている。

例えば、2012年に「アメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された調査には、2005年~2012年に結婚した約1万9000人が参加。ネットで出会った夫婦は、直接出会った夫婦よりも結婚に満足していると回答した。加えて、ネットで出会った夫婦の方が、別居や離婚の可能性も低かった。

(この調査は出会い系サイト「eHarmony」が資金提供しているが、研究・著者の1人は「MarketWatch」に対し、調査は第三者の統計学者監督のもとに行われたと語った)

2017年に「Sociological Science」に掲載された別の調査によれば、ネットで出会った異性間カップルは、直接出会ったカップルよりも、交際から結婚までが早かった。

ただし、ネットでの出会いがカップルに強い絆をもたらすと証明している調査はない。2013年、カンザス大学のジェフリー・A・ホール(Jeffrey A. Hall)教授が「MarketWatch」で語ったように、いくつかの自己選択が行われているかもしれないし、その可能性は高い。

つまり、出会い系サイトに登録する人たちは恐らく、特に真面目な恋愛相手を見つけたいわけではないバーにいる人たちよりも、恋愛や、さらに言えば結婚に興味があるのだろう。Business Insiderが以前報じたとおり、Tinderのユーザーの80%は、真面目な恋愛を求めている —— 同アプリは、一夜の出会いを求める場所との評判にも関わらずだ。さらに、あなたを目にする人が多くなればなるほど、相性のいい相手を見つけやすくなる

出会い系サイトは、恋愛の悩みに対する万能薬ではない。必ずしもそうではない

しかし、出会い系サイトの普及が進むにつれ —— 今や異性愛者のアメリカ人夫婦が出会うきっかけとして2番目に多く、同性愛者のアメリカ人夫婦では最も一般的になっている —— 出会い系サイトは、離婚率やカップルの幸福感に大きな影響を及ぼすかもしれない。

[原文:Scientists think relationships that start online may have a huge advantage over relationships that start in real life]

(翻訳:本田直子)

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