シアーズは近年、顧客を引き付けるのに苦戦してきた。
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- 米小売大手シアーズから独立した「シアーズ・カナダ」は現在、全ての資産を清算中。
- 店舗の閉鎖に伴い、全商品が値引きセールの対象になっている。
- その結果、売り場はまるでこの世の終わりのようだ。
シアーズはカナダ国内の店舗を閉鎖し始めており、その店内の様子は混沌としている。シアーズ・カナダは今月上旬、オンタリオ上級司法裁判所に対し、カナダ国内に残る店舗と資産の清算を申請したと発表していた。
店舗は現在、清算人が引き継いでいる。当初、すでにセール価格で販売されていた商品を値上げしたと米ニュースサイト「Consumerist」が報じていたが、現在は全ての商品を売り切るまで値下げするつもりのようだ。
その結果、店内にはまるでこの世の終わりのような光景が広がっている。アメリカ国内のシアーズの売り場もなかなかひどい有様だが、Consumeristが掲載した写真を見る限り、シアーズ・カナダはそれを圧倒的に上回る。
「小売業界の崩壊」はシアーズ・カナダに何をもたらしたのか。写真で見ていこう。
10月19日(現地時間)に始まったシアーズ・カナダの閉店セールは、10~14週間続く見込み。
店舗は「全品売りつくし!」のポスターで埋め尽くされている。
10月22日までに、ほとんどのシアーズで、商品は20~50%値下げされていた。
こちらのインスタユーザーは「とても心が痛む」と投稿。閉店セール中、店舗で働く従業員たちに優しくしてほしいと書いた。
店内はまさに混沌。
靴は至る所に散らばっている。
子供たちは埋もれてしまいそうだ。
オンタリオ州ソーンヒルの店舗に至っては、閉店セール初日の時点で、すでに枕が床に投げ捨てられていた。
こちらのインスタユーザーは、「買い物客が、何でもかんでも床に投げ捨てるのをやめて、従業員や他の客に対して良識と配慮を見せてくれることを切に願います」と投稿している。
別のユーザーは、「(店舗は)他人と共有している空間であることや、人への配慮を忘れて、自分に合うサイズを見つけ、値引きされた靴を手に入れることで頭がいっぱいになっている。強欲で自己中心的だ」と投稿している。
シアーズは、カナダとアメリカの両方で、eコマースの台頭に適応できず、苦戦してきた。
アメリカ国内では今年、300店舗以上のKマートとシアーズを閉鎖する計画を公表している。
シアーズ・カナダは2012年、アメリカ国内のシアーズ事業を所有するシアーズ・ホールディングスからスピンオフしたもの。
シアーズのCEOエディ・ランパート(Eddie Lampert)氏は、シアーズ・カナダの破綻は自身の責任ではないと、10月22日に公開されたブログ投稿で弁明した。
「(ランパート氏のヘッジファンド)ESLは、『シアーズ2.0』として知られる、売り上げを伸ばすための強引でリスキーな戦略には反対していた」とランパート氏は書いた。「ESLは、この戦略はリスクが非常に高く、成功する可能性も低いと信じていた」とも。
(翻訳:Yuta Machida)