イーロン・マスク氏とスペースXは、火星への移住を計画している。
Anaele Pelisson/Business Insider; Getty Images; Shutterstock; SpaceX
億万長者でスペースX(Space X)の創業者、イーロン・マスク(Elon Musk)氏は9月下旬、100万人の火星移住計画の最新版を発表した。
同氏の新たなプレゼンテーションの焦点は「Big F---ing Rocket(大物ロケット)」、略してBFRで、2016年の国際宇宙会議(IAC)で行ったプレゼンテーションをアップデートした内容となった。
オーストラリアのアデレードで開催された今年のIACでマスク氏は、2018年初めには35階建て宇宙船の建造を開始し、2022年には最初のBFRを火星へ打ち上げ、2024年には火星での有人ミッションにBFRを使用したいとの考えを明らかにした(ただし、火星上で人類がどう生きていくのかについては、まだ説明がない)。
加えて、同氏はこの宇宙船を、地球上の超高速輸送システムの一部として利用することを提案している。
マスク氏が9月28日にプレゼンテーションを行った後、あるRedditユーザーはこの42分間に及ぶプレゼンの全てを書き起こし、スペースXも高解像度のスライドを同社のウェブサイトの火星のページに公開している。同社の広報担当者が、Business Insiderに認めた。
ここでは、その全36枚のスライドでマスク氏のプレゼンテーションの全貌を再現した。テック界の大物から、ロケット科学について学んでみよう。
プレゼン開始 —— 「宇宙を目指すこと以上にエキサイティングなことなど、考えられない」
火星移住計画について語るイーロン・マスク氏(2017年9月28日、オーストラリアのアデレードにて)。
International Astronautical Congress 2017; SpaceX/YouTube
それは複数の星に住む種族になるということ
Elon Musk/SpaceX
進展
Elon Musk/SpaceX
過冷却液体酸素タンクのテスト
Elon Musk/SpaceX
テストは成功
エンジンのテスト
「propulsive landing 」と呼ばれる垂直着陸の成功
打ち上げ回数
Elon Musk/SpaceX
「ドラゴン」のアップデート(ランデブーとドッキングの自動化)
Elon Musk/SpaceX
ファルコン1
SpaceX/YouTube
ファルコン9
SpaceX/YouTube
ファルコン・ヘビー
SpaceX/YouTube
宇宙船の比較
Elon Musk/SpaceX
BFRのラプターエンジン
SpaceX/YouTube
BFR
Elon Musk/SpaceX
その詳細:エンジン、推進剤タンク、ペイロード、デルタ翼(新たに追加)
Elon Musk/SpaceX
カーゴエリアの容積は825立方メートル、エアバス380よりも大きい
Elon Musk/SpaceX
推進剤タンクの詳細
Elon Musk/SpaceX
エンジン部分詳細
Elon Musk/SpaceX
推進剤の補充
各ロケットのペイロード積載量(単位:トン)
Elon Musk/SpaceX
打ち上げコスト
Elon Musk/SpaceX
軌道上で推進剤の補充をしない場合
Elon Musk/SpaceX
軌道上で推進剤の補充をする場合
BFRの可能性
Elon Musk/SpaceX
衛星の打ち上げ
Elon Musk/SpaceX
国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送
Elon Musk/SpaceX
月面着陸・探査ミッション
Elon Musk/SpaceX
月面基地「ムーン・ベース・アルファ」の建設
Elon Musk/SpaceX
火星探査ミッション
Elon Musk/SpaceX
地球~火星(往復)の仕組み
Elon Musk/SpaceX
火星上陸の物理シミュレーション(1)
火星上陸の物理シミュレーション(2)
火星探査ミッションの短期目標:2022年
SpaceX/YouTube
火星探査ミッションの短期目標:2024年
Elon Musk/SpaceX
都市の建設
火星の夜明けと夕焼けは青い
Elon Musk/SpaceX
「月や火星に行くために作っているものを、地球上で使わない理由はない」 —— プレゼン終了
プレゼンテーションをするマスク氏。
International Astronautical Congress 2017; SpaceX/YouTube
(翻訳:Ito Yasuko)