2020年の東京を先取りする次世代タクシー&バスを体験:東京モーターショー「はたらくクルマ」編

トヨタの「JPN TAXI」(ジャパンタクシー)

トヨタの次世代タクシー車両「JPN TAXI」(ジャパンタクシー)。

10月25日〜11月5日まで開催中の東京モーターショー(開催:東京ビッグサイト)のトヨタ自動車のブースで、AI(人工知能)などを使った華々しいコンセプトカーが並ぶ中、メディアからは、近い将来に東京の街を走るタクシーとバスにも注目が集まった。おもてなしの心を結集したという「JPN TAXI」(ジャパンタクシー)と、「日本初」の4種の技術を盛り込んだ燃料電池バスのコンセプトモデル「SORA」だ。

トヨタが22年ぶりに発表した新型のタクシーの実力は?車内外に細かい配慮が散りばめられていた。

筆者が実際に乗ってみると、室内高1.37メートルと天井が高いおかげで、まずは、あまり屈まずに車内に入れるのが何よりもありがたい。取材用にリュックやカメラを持ち歩き荷物が多いので、通常のタクシーは屈むと思うだけで、億劫になるからだ。室内空間はミニバンほどではないにせよ、セダンとは全く違った開放感があり、かつ、足元のセンタートンネルと呼ばれる凸凹もないので、運転席の背後の席への移動も苦にならない。

「次世代タクシー」と聞くと、画期的な技術を期待してしまうが、細かすぎるな、と感心するほど、タクシーの「あるある」の苦労に対する配慮がなされていた。

22年ぶりに発表した新型タクシー「JPN TAXI」。大きな窓から外の景色が眺められる。

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おもてなしの心を象徴する幅広く、高さのあるドア。屈まずに乗り降りができ、荷物が多くても便利だ。ドアの幅は72cm、高さ130cm。乗り込み口の高さは32cmで通常よりも5cm低い。

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シートベルトの差し込み口は、LEDライトで光るようになっている。シートは乗客が操作できるヒーター機能付き。もてなしのポイントはかなり細かい。

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車椅子にも対応している。ややスロープが長い印象で路肩の幅が必要になりそう。

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燃料電池のコンセプトバス「SORA」。2018年から発売予定、東京五輪に向け、100台以上の導入を目指す。旧型の燃料電池バスは、東京都内ですでに2台走っている。

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車内外に計8台のカメラを設置。ドア付近や車内の様子は運転席のモニターに映し出される。異常があると、運転手に警報で知らせる。

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ベビーカーや車椅子のスペースに、横向きシートを備えている。利用者が自分で折りたためる。今までになかったのが不思議。

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車椅子利用者が自ら乗車できるように、バス停と高さを合わせる設計になっている。ただし、バス停の高さも調整する必要があり、インフラの整備はこれから。

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ジャパンタクシーは10月23日から発売を始めた。価格は約320〜350万円。月間の販売目標台数は1000台。東京五輪のころには、新型のタクシーとバスが首都圏の街を埋め尽くしているのかもしれない。

(文:木許はるみ、撮影:今村拓馬)

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