自己満足ではない? ビリオネアがスポーツチームを買収する理由

バスケットボールを持つマーク・キューバン氏

NBAダラス・マーベリックスを所有するビリオネア、マーク・キューバン氏。

Lucy Nicholson/Reuters

  • UBSとPwCによる最新のレポートによると、ビリオネアが保有する資産総額は2016年に17%増加し、6兆ドル(約682兆円)となった。
  • レポートによると、ビリオネアたちは「スポーツに関心を向け始めている」
  • レポートの著者の1人、ジョン・マシューズ氏は、スポーツチームを所有することはただの自己満足ではないとBusiness Insiderに語った。

3兆ドルもの資産を管理するUBSとコンサルタント会社PwCが10月26日(現地時間)にリリースしたレポートによると、ビリオネアの資産は17%増加し、6兆ドルとなった。

その資産の一部は、スポーツ業界に投じられている。

同レポートによると、ビリオネアは自らの足跡を歴史に残す方法を模索しており、慈善事業や芸術・スポーツの支援を拡大している。

「ビリオネアたちの関心は、スポーツへ向き始めている」とレポートは指摘する。「スポーツクラブの価格が値上がりするにつれ、クラブを買収、必要な追加投資ができる資金力を有しているのは、ビリオネア以外にはまずいない」

例えばアジアでは、アリババのジャック・マー氏のようなスーパー億万長者がトレーニングスクールの新設に資金を出し、サッカー界の発展を支援している。

富裕層の人々は、昔からスポーツチームやクラブのスポンサーを務めてきたが、レポートの著者の1人、ジョン・マシューズ(John Matthews)氏によると、彼らがスポーツ界を支援する理由は変わりつつある。かつては、スポーツフランチャイズを所有することは、自己満足的な側面が大きいとされ、同氏は自身のビリオネアの顧客に対し、チームの買収を控えるようしばしばアドバイスしてきたと、マシューズ氏はBusiness Insiderに語った。

「クライアントには、ミリオネア(百万長者)になる最速の方法は、ビリオネア(億万長者)になってスポーツチームを買収することだと言い聞かせていた」と同氏は言う。

しかし、今ではチームを所有するモチベーションは、より実用的なものになっている。であれば、ビリオネアがスポーツチームを購入することも理にかなっていると、マシューズ氏は考えている。例えば、スポーツチームを所有することで、ビリオネアたちは自身のビジネスの利害関係者となり得るコミュニティーと繋がることができる。

「だが、スポーツクラブを所有することは、単なる名誉やビジネス・ベンチャー以上のものだ」とレポートは指摘する。「アメリカの場合、そして多くの場合ヨーロッパにも当てはまるが、これはコミュニティーのプロモーションを行うチャンスであり、コミュニティーのスポーツチームを偉大な成功へと導いた人物というレガシーを築き上げるチャンスだ」

チームを所有していることで、別のビジネスチャンスに繋がることもある。

「あるビリオネアは、金銭的な見返りを求めてスポーツチームを買収するわけではないと教えてくれた」とレポートは言う。「だが、それは素晴らしい人たちへの扉を開いてくれる。『スターや長老、有名なビジネスマン、世界中から来たごく普通の男たちが1つの部屋に集まり、同じテーブルに着き、全員がそのボールについて語り合う』のだ」

同レポートによると、スポーツブランドのトップ140を109人のビリオネアが所有している。彼らの平均年齢は68歳だ。ビリオネアが所有するスポーツチームの概要は下のチャートの通りだ:

ビリオネアが所有するスポーツチーム概要

ビリオネアが所有するスポーツチームの内訳。アジアやヨーロッパでは、圧倒的にサッカーが多いが、アメリカではバスケットボール、アメフトが多い。

UBS

[原文:Billionaires are buying sports teams for different reasons than they used to]

(翻訳:まいるす・ゑびす)

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