アジアに広がるコワーキングスペース、中国でもWeWorkのライバルが急成長中

アメリカのコワーキングスペースWeWorkがアジア展開を進める中、中国発のコワーキングスペース企業も、テリトリー拡大を加速させている。

その代表は、中国不動産大手万科企業の元幹部が創業した「URWork」(優客工場)と、南アフリカ共和国出身のホテル経営者が立ち上げた「naked Hub」(裸心社)だ。

2015年設立のURWorkは6月時点で中国のほか香港、台湾、ニューヨーク、ロンドンなど世界22都市に78のコワーキングスペースを構える企業評価70億元(約1200億円)のユニコーン企業。今後3年で32都市、160拠点体制に拡大を目指している。

三里屯外観

naked Hub公式サイトより

naked Hubは2015年末、上海に最初のコワーキングスペースをオープン。10月中旬時点で、上海14カ所、香港4カ所、北京に2カ所(1カ所は11月初旬オープン予定)、そして最近ベトナムにも2カ所開設した。7月末には東南アジア6カ国、9都市41カ所でコワーキングスペースを展開するシンガポールの同業Just Coと合併し、アジア最大手を目指している。

ドイツの調査会社Statistaによると、世界のコワーキングスペースは2007年から2015年にかけて年間71%のペースで成長。2016年から2018年も年68%の成長が見込まれる。

Business Insider Japanは10月中旬、北京に8月オープンしたnaked Hub酒仙橋を訪問。セールス担当の李文琴氏(24)は、「北京には11月初めに2店目がオープンするほか、3、4カ所で開業準備が進んでいる。アジア太平洋地区での拡大にも取り組んでおり、日本でも場所を探している」と語った。

naked Hub酒仙橋は以下のようなデザインになっている。

naked Hub酒仙橋は、電子情報産業やハイテクサービス産業が集積する兆維工業園の敷地内にある。

兆維工業園


老朽化が進む敷地を数分歩くと、周辺とは雰囲気が違う建物が突然現れる。ここがnaked Hubのコワーキングスペースだ。

外観


naked Hubは南アフリカ出身のグラント・ホルスフィールド氏とその妻で香港出身のデザイナー、デルフィーン・イップ氏が10年前に中国の避暑地にオープンした高級リゾートが母体。

エントランス

デザイン性の高いリゾートホテル運営のノウハウを生かし、ライフスタイル関連のさまざまな事業を手掛けるようになり、2015年末にコワーキングスペースに参入した。

1階は受付を挟んで、共用部分とプライベートオフィス部分に分かれている。

受付


建物は2階建てで広さ4000平方メートル。

内観


現在は約100人が会員として入居している。口コミだけで5月にはほぼ満室になったという。

カフェ


naked Hubには著名企業も多く入居している。動画プラットフォーム大手の豆瓣(douban)は現在のオフィスが手狭になり、2階を借り切って年末に入居予定。

doubanのオフィス

naked Hub 公式サイトより


会費は共用スペースの個人利用で月額1800元(約3万円)~、プライベートオフィスは月額1人3000元(約5万1000円)~。会員カードがあれば、各地のnaked Hubのスペースを利用できる。

会員カード


会員でなくても、イベントなどで共用スペースを使うこともできる。

会議室


中国らしさが随所に散りばめられたデザイン。

座席


しかし李文琴氏によると、スタッフのうち中国人は2割で、さまざまな国の人々が協力して事業を担っているという。

内観


創業者の出身地である南アフリカの英雄、マンデラ氏をモチーフにした会議室も。

マンデラの会議室


プライベートオフィス部分は2人部屋から10人程度が入れる部屋を用意。ガラスの壁はホワイトボードのように使える。

nakedhubprivatespace

naked Hub 公式サイトより


11月初めにはユニクロ旗艦店、アップルストアなどが集積する三里屯地区に北京2軒目のnaked Hubがオープンする。

sanlitonpool

naked Hub 公式サイトより

プールやジムなど、「仕事」以外の設備も充実しているのが、他社との大きな違いだという。

本社がある上海では今月、「アジア最大」をうたう8階建てのコワーキングスペースをオープン。

nakedhubshanghaizuidada

naked Hub 公式サイトより

合併したシンガポールのJustCoと合わせ、来年末までに198カ所体制への拡大を計画する。

業界最大手のWeWorkは2016年に中国に進出し、上海4カ所、北京3カ所でコワーキングスペースを展開。日本には2018年に初オフィスを開設予定。

wework

StockStudio Shutterstock


naked Hubは「当面はアジアを固める」方針。オーストラリアの他、韓国、日本でも早期進出を目指している。

壁の装飾

日本については、「東京で場所を探している」(李文琴氏)という。

(文・写真:浦上早苗)

ソーシャルメディアでも最新のビジネス情報をいち早く配信中