「ハロウィン動画でYouTuberデビュー」ねらう“地下アイドル”たち

10月30日、東京・麻布十番のとある撮影スタジオ。ハロウィン動画をきっかけとしてYouTuberに本格参入する、ある地下アイドルがいた。

川村虹花

地下アイドルもYouTuberに参入する時代?

収録見学に訪れた記者には目もくれず、彼女はカメラの前で黙々と工作を進め、しばらくすると作業パートの収録が終了。「じゃあオープニング撮るから」とスタッフに誘導されると、スタジオに華やかな声が響いた。

「どうもー、こんにちは!今日はですね、このケンタッキーフライドチキンの骨を使って、ハロウィン最強の武器をつくってみたいと思います!」

川村虹花(ななか)、21歳。彼女は「最強の地下アイドル」をうたうグループ、「仮面女子」のメンバーだ。15歳からアイドル活動をしてきて6年。3日前の10月27日から、YouTuberとして動画を投稿し始めた。

川村虹花

AKB48に憧れて、15歳の時にアイドルになったという川村虹花(21)。今年3月から格闘家としての活動も始めた。

仮面女子の公式ツイッターは70万人超のフォロワーを抱え、川村自身も18万人以上のツイッターフォロワーを持つ。

一方、YouTubeに公開された動画はまだ3本、チャンネル登録者数は約300人からのスタートだ。「いまはまだ(視聴者は)仮面女子のファンが多い。ファン層はだいぶ違いますね」と川村はいう。

なぜ、ハロウィン直前という時期からYouTuber参入を決めたのか?

すでに海外のファンも多く持ち、英語Facebookページでは280万人以上のフォロワーを持つ仮面女子。海外の若いファンの反応を見ると、日本で起こるイベントで注目がもっとも集まるのはハロウィン。「参入するならこのタイミングしかないという確信があった」と仮面女子の所属事務所・アリスプロジェクトのディレクター、池田晃平は語る。

仮面女子のファンの方って30代、40代の男性が中心なんですね。いまの小・中学生にとって、気軽に会いに行ける存在はアイドルよりもYouTuber。若い層に人気のYouTuberになることで、新しいファンを獲得していきたい」(川村)

「地下アイドルは数年前にブームになったが、今はかつての勢いはない。アイドルという枠を超えてファンを取り込んでいかないと、生き残っていくことができない」(池田)

川村虹花のほか、同じく仮面女子の人気メンバーである神谷えりな、月野もあ、そして仮面女子としても活動する5人グループ「ピンククラッカーズ」もほぼ同時にチャンネルを開設。現在、4つのYouTubeチャンネルを運営している。

仮面女子のメンバー、月野もあが公開した「ホラーすぎるハロウィン緑メイク」動画。

出典:もあチャンネル


川村虹花が公開中の動画。順次、ハロウィン動画も公開していくとのこと。

出典:ななかチャンネル

ケンタッキーフライドチキンの骨で作った、ハロウィン最強の武器

「ケンタッキーフライドチキンの骨で作った、ハロウィン最強の武器」。グルーの上に血糊が塗られ、リアルさを出した。動画は近日公開予定。

「そもそも地下アイドルの定義は、(メジャーレーベルではなく)インディーズレーベルと契約し、ライブを中心に活動を行うアイドルのこと。メジャーレーベルからの中抜きを受けることなく、ファンと直接つながることで人気を得てきたのが仮面女子。この構図はYouTuberと親和性が高い」と池田はいう。

2013年にデビューした仮面女子は、メンバーに仮面を被らせ、個々人の個性を打ち消すことでアイドルグループとしての人気を得てきた。

次のステップがSNS上でのファン層へのリーチだ。そのため、メンバーの仮面を外し、個人の色を打ち出していくことを心がけた。川村は「格闘技アイドル」として今回の動画である「ハロウィン最強の武器」のような動画をつくる一方、前述の月野はメイク動画を中心に展開する予定だ。

川村虹花

まだ慣れないためか、ややぎこちなさも見られた動画の撮影風景。

川村は2017年3月から格闘家として活動を始め、9月にはプロレスデビュー。動画投稿は週3回ほどを予定している。「(現シュートボクシング世界女子フライ級王者の)RENAさんのように強くなりたい。格闘家のファン、YouTuberのファン、地下アイドルのファン。幅広い層を狙っていきたい」(川村)

※本文敬称略

(文・写真:西山里緒)


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