ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を展開するスタートトゥデイは2018年春、商品企画から製造・流通販売までを手がけるプライベートブランド(PB)をアメリカとドイツで開始する。すでに現地法人を設立し従業員を確保するなど、準備を進めている。前澤友作社長が10月30日、明らかにした。国内では、海外に先駆けて年内にPBの発売を開始するという。
ZOZOTOWNを展開するスタートトゥデイは、海外でもプライベートブランドに乗り出す。
スタートトゥデイのホームページより
自ら陣頭指揮を取り、PBブランド制作に注力してきた前澤社長は、決算説明会で「誰もが一枚や二枚持っている超ベーシックアイテムで、科学やテクノロジーを駆使して究極のフィット感を実現し、差別化をはかる。世界で闘っていける」と、自信をみせた。
前澤社長はこれまでPBへの参入は明言していたが、内容についてはほとんど語ってこなかった。着手を明言してから発売までに時間がかかっていることについて、「人のやっていないことをやりたかった。それには準備が必要だった」と説明した。
アメリカ現地法人はロサンゼルス、ドイツ現地法人はベルリンにそれぞれ構えたという。「当然、アメリカ、ドイツを皮切りに、(海外展開を)順次スタートさせていく」という。販路はあくまでオンラインだ。将来的には、PBをZOZOTOWNに続く第二の収益の柱にしていく見込みとした。
ただし、PBの全容は依然として、ベールに包まれている。まず、ブランドの名前は非公表。「超ベーシック」とはしたが、詳細に関する説明はなかった。価格帯についても同社は「コストパフォーマンスという意味では最高水準」としただけで、明言しなかった。
スタートトゥデイは今年、時価総額が1兆円に達し、国内アパレルが軒並み不振にあえぐ中、一人勝ちの様相だ。取り扱いブランドは6000種類以上とされ、自社では在庫を持たない販売手数料ビジネスで急成長してきた。
前澤社長は「取り扱いブランドと競合しないのかとよく聞かれるが、極力しないようにする。取り扱いブランドが売れなくなって自分たちが売れても総量が変わらなければ意味がない。今までのファッション業界にない商品を売ることで、ファッション業界に革命を起こしたい」と、強調した。
スタートトゥデイは同日、2017年4月〜9月期の連結売上高が、前年同期比35.3%増え426億円となったと発表した。本業のもうけを示す営業利益は、30.6%増の138億円だった。