ワーカホリックとして知られるマスク氏は、豪華な休暇や高額な趣味にお金を費やさない。
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イーロン・マスク氏は世界で最もリッチなロケット科学者だろう。
およそ200億ドル(約2兆3000億円)と言われる資産を持つ46歳のテスラとスペースXのCEOであり、OpenAIの共同設立者でもある同氏は人類が地球を脱出し、火星に移住するまで満足できないと発言している。幸運なことに、マスク氏はそれを成し遂げるだけの知性と資金を持っている。
ワーカホリックとして知られるマスク氏は、豪華な休暇や高額な趣味にお金を費やさない。その代わり、同氏はオフィスや工場でほとんどの時間を過ごし、1日の終りに、ロサンゼルスにある4つの大邸宅のいずれかで休息を取る。
5人の子どもの父親でもあるマスク氏が、どのようにお金を稼ぎ、どのようにお金を使っているのか見てみよう。
南アフリカ共和国で子ども時代を過ごしたマスク氏は、プログラミングを独学で学んだ。12歳の時、初めて作成したテレビゲームのソースコードを500ドルで売った。
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18歳になる直前にカナダに引っ越し、穀物の刈り入れ、製材などさまざまな肉体労働を経験した。最終的には製材工場のボイラー室の清掃で、時給18ドルという1989年当時としては高額な収入を得ていた。
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夏のインターンシップを弟のキンバル(Kimbal)と一緒にノバスコシア銀行で始めると、時給は14ドルに引き下げられた。銀行のインターンシップは電話をかけて参加、同行のトップたちを感心させた。
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1990年、クイーンズ大学に入学すると、すぐにパソコンのパーツや本体を学生に売る副業を開始。「ハイスペックなゲーム用マシンからシンプルなワープロ用まで、学生たちのニーズに合わせたものを一般に販売されているパソコンよりも安く販売した」とマスク氏。
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奨学金を受け、2年足らずでペンシルバニア大学へ転校。学費を賄うために、週末になると友人とともに、住んでいた家でバーを開き、5ドルの入場料を取った。「大学時代は自分で稼いだ。1晩で1カ月分の家賃を稼ぐことができた」。
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ペンシルベニア大学ウォートン・スクールで物理学と経済学の学位を得たあと、スタンフォード大学の大学院に進み、博士号の取得を目指した。だが数日で退学し、弟と一緒にインターネット関連のスタートアップZip2を設立した。父親からの2万8000ドルの資金で、新聞向けの街案内ソフトウエアを開発した。
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4年後の1999年、Zip2を3億700万ドル(約350億円)で売却、マスク氏は2200万ドル(約25億円)を手にした。その半分以上を投資し、オンラインバンキングサービスのX.comを共同創業した。同社は間もなくライバルと合併してペイパル(PayPal)となり、マスク氏は大株主となった。2002年、イーベイ(eBay)がペイパルを買収、マスク氏は1億8000万ドル(約200億円)を手にした。
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ペイパルを去ったあと、マスク氏はスペースX(SpaceX)を創業、関心を宇宙に向けた。数年後、同氏はEVメーカーのテスラ(Tesla)と太陽光発電システムのソーラーシティ(SolarCity)の共同創業者となった。これらの会社の成功により同氏はビリオネアの仲間入りを果たした。だが、厳しい経済状況にも追い込まれた。
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2008年の後半、マスク氏は最初の妻と離婚、経済状況は悪化した。1年後、同氏は「現金が底をついた」と述べ、友人からの借金で会社を続けるための努力を続けた。2010年、テスラが上場するとマスク氏の資産は爆発的に増えた。2012年、同氏は初めてフォーブスの億万長者リストに掲載された。総資産は20億ドルに上った。
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マスク氏の自宅はロサンゼルス近郊のベル・エア。資産価値は7000万ドル以上。最近、2400万ドルで購入した5軒目の自宅は、まだ未完成。
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ベル・エアでの不動産購入は2012年の後半に開始。当時独身だった同氏は1700万ドルで、1.67エーカー(約6800平方メートル)の物件を購入。約1900平方メートルの大邸宅には2階建ての図書室、ホームシアター、ジム、1000本収納可能なワインセラーがある。
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出典 : Variety
卓越した自動車メーカーのリーダーであるマスク氏が、自動車好きなのは当然だ。2013年には映画『007』に登場した潜水艦になるロータス・エスプリを92万ドル(約1億円)で落札した。テスラ車に加えて同氏は、2台のガソリン車を所有している。フォードのモデルTとジャガーのEタイプロードスターだ。
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自由に使えるお金があるにもかかわらず、マスク氏は豪華な休暇を好まない。いや、休暇そのものを好まない。12年前にスペースXを創業してから2週間しか休んでいないと2015年に語っている。マスク氏は週に80〜90時間働くと伝えられている。
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だが子どもたちとの時間は常に捻出している。「私はとても良い父親だ」とマスク氏。「週の半分以上は子どもたちの世話をし、かなりの時間を一緒に過ごしている。外出する時に連れて行くこともある」。2014年のツイートによると、5人の息子たちと毎年キャンプに出かけている。
前妻タルラ・ライリーと双子の息子たちとイーロン・マスク氏
AP Photo/Mark Lennihan
出典 : Twitter, Elon Musk: Tesla, SpaceX, and the Quest for a Fantastic Future
2012年、マスク氏はギビング・プレッジ(Giving Pledge)にサインし、生きている間に資産の大部分を寄付すると誓った。同氏はすでに仕事を通して、我々の環境と未来を改善することに取り組んでいる。さらにAIの規制を目指す非営利団体Future of Life Instituteに1000万ドルなど、自らが懸念する分野に多額の寄付を行っている。
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1日の終りには、音楽、テレビゲーム、読書などの趣味を楽しむ。どれもお金がかからないものばかりだ。「子どもと一緒に遊び、友達と会う。いたって普通だ」とマスク氏。「時々、ツイッターで暴れることもある。だがいつも、もっと働きたいと思っている」。
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出典 : Quartz
[原文:How Elon Musk, CEO of Tesla and SpaceX, makes and spends his $20 billion fortune]
(翻訳:まいるす・ゑびす/編集:増田隆幸)