10月28日から友人と並んでいたという、予約なし当日販売 1番目に並んでいた大学生。6日間お疲れ様でした。
11月3日(金)午前8時、「iPhone X」が全世界で発売された。販売解禁時刻はそれぞれの国の時刻での午前8時のため、世界最速発売はオーストラリアで、日本より2時間早い発売だった。
全国のアップルストアでは11月3日に当日発売ぶんの在庫を用意すると公式に発表していたため、各地のアップルストアには予約に漏れた人たちが行列を作っているとみられる。
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事前に11万円からという価格が「高すぎる」との声もあったが、日本国内のアップルストア旗艦店でApple表参道には、午前8時時点で550人の国籍様々な人々が行列をつくった。最後尾は約560m離れたスーパーマーケット「Olympic青山店」周辺までのびた。
最前列付近の様子。右端でインタビューを受けているのが、最前列の2人の大学生。
最後尾まで歩いたITジャーナリストの石川温氏によると、最後尾付近ではこれ以上並んでも当日購入はできない旨のアナウンスがあったとのことで、在庫さえあれば行列はさらに伸びていた可能性もある。
当日販売の最前列に並んでいたのは2人の大学生。10月27日の「予約争奪戦」で確保できなかったため、翌日の10月28日から、2人で近くのホテルに宿泊して交代しながら並んでいたそうだ。発売前日の夜は気温10度前後にまで冷え込み、都内は強めの雨模様。行列していた他の人の中には「強い雨のときはビルの軒先で雨宿りをしながらしのいだ」という人もいて、過酷な夜となったようだ。
行列に並ぶ人の中には、YouTuberでAppBank社CCOのマックスむらい氏の姿もあった。前夜夕方から並び始め、150人くらいの位置。写真は販売開始直前のもの。
午前8時、カウントダウンならぬ1から10まで数える「カウントアップ」で発売開始が告げられると、恒例となったアップルストア スタッフとのハイタッチで入店、販売が開始された。
6日間の過酷な行列を耐え切って無事、購入できた大学生は、「家に帰ったら、まずゆっくり休んで楽しみたい」と安堵の表情で語った。
その場でiPhone Xを開封、Face IDを使うところを見せようとしてくれる。6日間並んだあとだけに喜びもひとしお。
予約なしの当日販売、各キャリアの対応は「店舗次第」
ここまでの過酷な行列は人気の裏返しとも言えるが、当日販売があるから発生するものでもある。例年のことながら、もう少し体力的に厳しくない販売方法はないのかと考えさせられる。とはいえ、それなりに確保していただろうネット予約在庫がほんの数分で「蒸発」するかのように完売してしまう状況では、「並べば当日に買える」という選択肢は、それはそれで意味があるのも事実だ。
なお、当日販売の実施を明確にうたうのはアップルストアのみ。iPhone Xを扱うドコモ、au、ソフトバンクの各キャリアでは、当日販売の有無は「店舗次第」(各社広報)という状況だ。
そうなると気になるのは、今後のiPhone Xの供給だ。前面に搭載する最新鋭のカメラ「TrueDepthカメラ」の製造に起因する生産遅れとされているが、KDDIの田中社長は11月1日の決算会見の質疑応答の中で、「もっと少ないかと思ったが、考えていたよりは供給が多かった」「いまご予約いただいているお客様には年内にはお渡しできるのではないか」という趣旨の発言をしており、供給改善の兆しも見える。
今後、オークションやフリマアプリなどで転売合戦も始まる可能性は高いが、定価より高いような価格を支払ってまで買う意味があるのかは、よく考えてからにした方が良さそうだ。
※iPhone Xの供給状況などについては、今後新情報が判明しだいお伝えしていきます。
iPhone Xの店頭展示も各所で始まっている。画面下の「Face ID」アプリは、店頭でしか触れない特別なデモ用アプリ。
Face IDデモアプリを起動すると、こんな風に顔認証を体験できる
ブラックとシルバーの実機。ブラックは側面のフレーム部分も蒸着処理で渋い黒になっている。ガラスとステンレスの継ぎ目がわからないくらいの凄い精度
ブラックのフレーム部分の精度の高さがわかる
こちらはホワイト。Apple Watchのステンレスモデルとよく似た磨き上げられた鏡のような美しさ
iPhone Xに表示された価格。11万2800円から、やはり安くはない
早朝、開店前のApple 表参道前を朝ランする人たちの姿も。近くに高級住宅街がある表参道らしい1カット
アップルストアでスタッフから使い方の説明を受ける一般客
小学生くらいの子供の姿も。顔を認識して表情アニメをつくれるAnimoji(アニモジ)機能で遊んでいた
アップルストアの旗艦店、Apple 表参道
(文、撮影・伊藤有)