B-1Bランサー、北朝鮮ミサイル基地攻撃のファーストオプション

B-1Bランサー

韓国のF-15と並んで飛行する2機のB-1Bランサー。

US Air Force

アメリカ海軍は11月11日〜14日、原子力空母3隻を投入した訓練を実施した。それに先立ち11月2日には朝鮮半島周辺で、アメリカ空軍の2機のB-1B爆撃機が航空自衛隊および韓国とそれぞれ共同訓練を行った。

「日本と韓国、それぞれ2国間での爆撃機持続的配備(CBP)訓練は事前に計画されたものであり、最近の出来事に対応したものではない」とアメリカ空軍は声明で述べた。

北朝鮮はこの訓練を「奇襲」攻撃訓練と呼んでいる。それはあながち間違いとは言えないだろう。

アメリカ国防総省は、トランプ大統領が先制攻撃を命じた場合に備えて、北朝鮮ミサイル基地への攻撃計画を立てている。その際、B-1Bランサーは重要な役割を果たすことになる。

攻撃計画とランサーの能力を見てみよう。


B-1Bランサーは、B-52の後継機として1970年代に開発された長距離戦略爆撃機。

 B-1Bランサーは、B-52の後継機

US Air Force

出典:アメリカ空軍

1998年のイラク空爆(砂漠の狐作戦)で実戦へ初投入、2003年からのイラク戦争(イラクの自由作戦)では、有志連合の爆弾の40%近くを投下した。

アンダーセン空軍基地にて。2017年7月。

グアムのアンダーセン空軍基地にて。2017年7月。

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製造はアメリカ最大の軍事企業であり、巨額の政治資金を提供しているボーイング。ランサーは、2040年頃までアメリカの戦略爆撃機の中心的存在であり続けるだろう。

4基のGE製F101-GE-102ターボファンエンジンはそれぞれ3万ポンド(約1万4000キロ)を超える推力を生み出す。

アンダーセン空軍基地を離陸する第34爆撃飛行隊のランサー。

アンダーセン空軍基地を離陸する第34爆撃飛行隊のランサー。2017年10月。

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出典:アメリカ空軍

最高速度は900マイル(約1450km/h)以上、最高高度は3万フィート(約9000メートル)以上。

B-1Bランサー

US Air Force

出典:アメリカ空軍

航続距離は約1万2000キロ、KC-135から空中給油を受けることも可能。

空中給油を受けるランサー

US Air Force

出典:NBCニュース

乗員は4名。機長、副操縦士、2名の戦闘システム担当。

コックピット

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2014年、ランサーは改修により4つの多機能カラーディスプレイで構成された垂直状況表示装置(VSD)を含む統合戦闘ステーション(Integrated Battle Station)を装備。パイロットに状況把握に必要なデータを分かりやすい形で提供する。

出典:アメリカ空軍

機内搭載量は7万5000ポンド(約3万4000キロ)、B-52より多く、アメリカの爆撃機で最大。核兵器は搭載できないが、さまざまな爆弾やミサイルを搭載できる。

爆弾を投下するランサー

South Korean Defense Ministry via Getty

ランサーが搭載できる兵器は以下の通り。

500ポンド(約230キロ)のMk-82を84発、または2000ポンド(約900キロ)のMk-84汎用爆弾を24発。

500ポンドのMk-62を84発、または2000ポンドのMk-65クイックストライク沈底機雷を8発。

クラスター爆弾(CBU-87、89、97)を30発、または風力安定クラスター爆弾(CBU-103、104、105)を30発。

2000ポンドのGBU-31 GPS誘導爆弾(JDAM:Joint Direct Attack Munition)を24発、または500ポンドのGBU-38 GPS誘導爆弾を15発。

AGM-158A空対地長距離巡航ステルスミサイル(Joint Air-to-Surface Standoff Missile)を24発。

GBU-54レーザーJDAMを15発。

出典:NBCニュースアメリカ空軍

トランプ大統領が20以上の北朝鮮ミサイル基地の攻撃を決断すれば、アンダーセン空軍基地に配備されている6機のランサーのうちの数機が出撃することになるだろう。

アンダーセン空軍基地から離陸するランサー

アンダーセン空軍基地から離陸するランサー。2017年10月11日。

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国防総省広報官クリス・ローガン中佐はBusiness Insiderに対し、攻撃に加わる機数についてはコメントできないと語った。

「どのような状況下でも作戦遂行能力が外部に漏れることは望ましくない」

出典:NBCニュース

数機の戦闘機が護衛任務につく。

航空自衛隊のF-15 2機と並んで飛行する2機のランサー

航空自衛隊のF-15 2機と並んで飛行する2機のランサー。2017年9月11日。

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ローガン中佐は護衛任務につく戦闘機に関してもコメントできないとした。だがアメリカ、韓国、日本の航自のF-15が、直近の訓練ではランサーを護衛した。

F-16と空自のF-2も訓練に参加した。

出典:NBCニュースロイターロイター

ランサーは、射程延長型の空対地長距離巡航ステルスミサイルで北朝鮮のミサイル基地を攻撃可能。射程距離は500マイル(約800キロ)、北朝鮮国境から十分離れた場所から目標を破壊できる。

空対地長距離巡航ステルスミサイル

ランサーと見られる機体から発射されるJASSM-ER(射程延長型の空対地長距離巡航ステルスミサイル)。

Lockheed Martin

出典:NBCニュースナショナル・インタレスト

しかし、北朝鮮ミサイル基地への先制攻撃は状況の悪化を招く。金正恩委員長は韓国やグアムを攻撃するだろう。

韓国の烏山空軍基地上空を低空飛行

韓国の烏山空軍基地上空を低空飛行。2017年7月。

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ある軍高官はNBCニュースに対し、この状況を悪化させかねないリスクこそが、ランサー投入の理由の1つだと語った。なぜなら、同機は核兵器を搭載できない。それが金委員長の反応を和らげる可能性がある。

だがジェームズ・スタヴリディス元海軍大将など、この説に納得していない高官たちもいる。

出典:NBCニュース

国防総省には別の計画もあるが、B-1Bによる攻撃は「数ある悪い選択肢の中で最も優れている」とある情報機関の高官はNBCニュースに語った。

韓国の2機のF-15とともに飛行する2機のランサー

朝鮮半島付近で韓国の2機のF-15とともに飛行する2機のランサー。2017年6月。

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出典 : NBCニュース

[原文:The B-1B Lancer could be used to strike North Korean missile sites — here's what the bomber can do

(翻訳:conyac/編集:増田隆幸)

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