ソフトバンク・ビジョン・ファンド、20社に平均1000億円を投資

ソフトバンクグループの会長兼社長を務める孫正義氏は2017年11月6日、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)がこの半年間で20社を対象に、平均で1000億円規模の投資を行ったことを明らかにした。

孫氏は説明会でのプレゼンテーションで「ベンチャーキャピタル(VC)は、ひとつのファンド規模が1000億円ぐらいだが、我々は1案件で、平均1000億円ぐらいの投資をしている。この短期間でこれだけの大型投資をやったことのあるベンチャー投資の会社というのは、地球上にいままでなかった」と語った。

20171106孫正義氏

四半期決算の説明会で、プレゼンテーションする孫正義氏。

SVFは2017年5月、総額で10.4兆円の出資を得たと発表。サウジアラビアのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)、アップル、クアルコム、シャープなどが出資している。ソフトバンクグループは、最大3.1兆円の出資を約束している、としている。孫氏は「10兆円は、世界中のVC全てを足した規模。それを我々だけでやっている」と説明した。

主な投資領域は、IoT、ロボット、AI、Eコマース、ライドシェア、フィンテック/決済、医療の7領域。地域としては、中国、インド、米国の企業が多い。「ビジョンをもってこれから革新をしていく会社に投資をしていく」(孫氏)という。

孫氏は説明会で、投資を行った企業数社について期待感を語っている。孫氏のコメントからは、SVFの投資方針の一端がうかがえる。以下が、孫氏のコメントだ。領域については、孫氏のプレゼンテーション資料の分類を用いた。

  • Slack(米国、その他領域):ビジネスチャットツール。「アメリカを中心に急激な勢いで伸びている。どの会社よりも短期間で、売上を稼ぐ会社になっている」
  • mapbox(米国、その他領域):地理情報プラットフォーム。「Googleと競合している会社の大半が、これを使い始めている」
  • Flipkart(インド、Eコマース)「中国に次ぐ、次の大きな市場はインドだと思っているが、そのインドにおいて6割のマーケットシェアを持っている」
  • paytm(フィンテック/決済)「中国ではアリペイが大きな存在として成功しているが、アリペイとソフトバンクの両方がサポートをしている」
  • Fanatics(米国、Eコマース):スポーツ関連商品のEコマース。「独占的にアメリカのスポーツのグッズを売るEコマースの権利を持っている会社で、急激に伸びている。アメリカで、一般的にAmazonに対抗するのは大変だが、専門特化したカテゴリーで独占的なポジションを持っている会社は非常におもしろい」
  • ROIVANT SCIENCES(米国、医療):AIを活用した医薬品開発。「この3年間ぐらいで、3社ぐらいがIPO(新規株式公開)をしている。AIを使って、データを一気に集めて、創薬で急激に進化をしている」
  • Vir Biotechnology(米国、医療):AIを活用して感染症の医薬品などを開発。「インフルエンザ、B型肝炎などの感染症について、AIを使ってワクチンや薬を開発している」
  • 衆安在線財産保険(中国、フィンテック/決済):インターネット専業保険。「アリババの物を出荷するときに、ちゃんと届くのか、届かなかったら保険で払いますということで始まった。すでにユーザーが5億人を超えた。ほんの4〜5年で、まったくゼロから始まり、急激に成長している会社。この会社と、これから海外展開を色々やろうと思っている」

孫氏はまた、サウジアラビアのサウジ電力に対してソフトバンクが大株主として出資し、経営に参画する覚書に調印したことも明らかにした。サウジアラビアで世界最大規模の太陽光発電事業を実施する考えだ。「自ら電力会社に大株主として経営そのものに参画し、世界でもっとも自然エネルギーをつかう比率の高い会社にしたい」という。

投資対象の企業の日本国内での事業展開について、孫氏は「投資した会社との日本でのジョイントプロジェクトが、これから続々と生まれてくる」と述べた。

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