2018年がサンフランシスコのテック業界にとって、大いなる1年となることは間違いないだろう。
Gabrielle Lurie/Reuters
2017年はサンフランシスコのテック企業にとって波乱の1年だった。
Twitterやウーバーは、スキャンダルと競合企業によって大きく揺さぶられ、注目のスタートアップだった活動量計のジョウボーン(Jawbone)、コネクテッドジューサーのジューセロ(Juicero)などはサービスを停止した。
だが、そんな混乱の中でもテック企業の成長は止まらない。サンフランシスコのスカイラインの中にそびえたつ、セールスフォース・タワーはその象徴だ。
サンフランシスコは依然として、イノベーティブなスタートアップを生み出す場所。次のイノベーションを創造しようと、忙しく働く起業家は増え続けるばかり。
我々は、ベンチャーキャピタリストやサンフランシスコのテック業界の主要メンバーに話を聞き、調査会社ピッチブック(PitchBook)のデータを使って、2018年に注目すべきサンフランシスコのスタートアップ19社をピックアップした。
リストを絞り込むために、サンフランシスコに本社を置くスタートアップに絞っている。パロアルト、マウンテンビュー、サンノゼに本社を置くスタートアップは除いた。
2018年がサンフランシスコのテック業界にとって、大いなる1年となることは間違いないだろう。注目すべきスタートアップ19社を見てみよう。
Motiv:フィットネストラッカーの未来
モーティブ(motiv)の創業メンバー。
Motiv
事業概要: モーティブ(Motiv)は、健康状態、心拍数、睡眠の質を計測する美しい指輪型のフィットネストラッカー「モーティブ・リング」を作っている。控えめなデザイン、3日間持つバッテリー、防水機能を備え、ユーザーが常時着用することを想定している。
競合製品との大きな違いは、同製品にはメモリが内蔵されていること。スマートフォンと最大5日間連携させなくてもデータを保存できる。同社は、健康を改善しようとしている人にとって、シンプルなソリューションとなることを目指している。
創業:2013年
創業者:マイケル・ストラッサー(Michael Strasser)、エリック・ストラッサー(Eric Strasser)、カート・フォン・バディンスキ(Curt von Badinski)、ピーター・トウィス(Peter Twiss)
資金調達:Granite Ventures、Soda Rock Partners、Kleiner Perkins Caufield & Byersなどから、2018万ドルを調達
Nurx:より多くの女性に、より簡単にバースコントロールの手段を提供
ナークス(Nurx)のメンバー。
Nurx
事業概要:ナークス(Nurx)は、いわば「バースコントロールのウーバー(Uber)」。同社のサービスを利用すると、女性は病院まで行かなくても、アプリに情報を入力するだけで、ピルを処方してもらうことができる。入力された情報は医者が確認する。配送に追加費用は不要。またユーザーが保険未加入の場合、同社が保険会社の選択、加入をサポートする。現在同社のサービスは16州で利用が可能、将来的には全米展開の予定。
創業:2015年
創業者:ハンス・ガンゲスカー(Hans Gangeskar)、エドバルド・エンゲセース(Edvard Engesaeth)
資金調達:Lowercase Capital、Y Combinator、Union Square Venturesなどから、800万ドルを調達
Virta Health:2型糖尿病の治療を変革
医者と患者のインターフェースを提供。
Virta Health
事業概要:バータ・ヘルス(Virta Health)は、パーソナライズ化された糖尿病治療を目指している。
同社は不動産サイト、トゥルリア(Trulia)の共同創業者サミ・インキネン(Sami Inkinen)の実体験から生まれた。同氏は2004年、2型糖尿病と診断された。
医師、ヘルスコーチ、アルゴリズムの支援により、患者に合わせた適切な治療法を設計し、「糖尿病の根本的なメカニズムに取り組み、糖尿病治療の枠組みを管理から逆転させる」と同社は述べている。目標はその全てを投薬や手術なしで実現することだ。
創業:2014年
創業者:サミ・インキネン(Sami Inkinen)、ジェフ・ボレック(Jeff Volek)、スティーブン・フィニー(Stephen Phinney)
資金調達:Venrock、Allen & Company、Obvious Venturesなどから、3670万ドルを調達
Brandless:日用品の購入方法を変革
ブランドレス(Brandless)の共同創業者、イド・レフラーとティナ・シャーキー。
Brandless
事業概要:ブランドレス(Brandless)は、台所洗剤からオリーブオイル、キッチンナイフまであらゆる日用品を取り扱うEC企業。自社製品の価格を全て3ドルに統一している。
7月上旬に公式にオープン。消費者は一般的に考えらえているほど日用品のブランドを気にしないという考え方に基づき、全ての自社製品を独自ブランド「Brandless」で販売。パッケージには、大きなブランドロゴや派手なキャッチフレーズの代わりに、品名や原材料名だけが記載されている。
創業:2015年
創業者:ティナ・シャーキー(Tina Sharkey)、イド・レフラー(Ido Leffler)
資金調達:New Enterprise Associates、GV、Redpoint Ventures、Cowboy Ventures、Slow Ventures 、そしてSherpa Capitalから、5000万ドルを調達
Trove:個人向け倉庫サービスをより便利に
トローブ(Trove)の集荷サービス。
Trove
事業概要:共同創業者のマイケル・パオ(Michael Pao)とジョン・パーロウ(Jon Perlow)は、ハイウェイをドライブしている時にトローブ(Trove)のアイデアを思いついた。2人はカリフォルニア州メンローパークからサンフランシスコに向けてドライブしている時に、都市部の周辺に多くの個人向け倉庫があることに気づいた。そして個人向け倉庫が都市部の近くにあるのは、人は自分の所有物を近くに置いておきたいからだという当たり前のことに着目し、トローブを創業した。
同社はスペースに余裕がある、地元の引っ越し会社と契約。1カ月最低100ドルで同社と契約すると、専門業者が荷物をまとめ、近くの倉庫まで運んで、収納する。預けた荷物は撮影され、トローブのアプリでカタログ化されるので、ユーザーは預けている物を確認でき、必要に応じて送り返してもらうことができる。サービスは現時点では、サンフランシスコのベイエリアのみ。
創業:2016年
創業者:マイケル・パオ(Michael Pao)、ジョン・パーロウ(Jon Perlow)
資金調達:Greylockから、800万ドルを調達
Spoke:ヘルプデスク業務にAIを導入
スポーク(Spoke)の共同創業者、ジェイ・スリニバサン、プラタイアス・パトナイク、デイビッド・カネダ。
Spoke
事業概要: スポーク(Spoke)はAI(人工知能)を使って、IT部門や人事部門への問い合わせ対応業務を自動化する。
定型的な問い合わせにはスポークのAIが対応、回答が難しい場合、AIは問い合わせを適切な部署へ連携する。同社のサービスはまだベータ版だが、すでにドアダッシュ(DoorDash)、トゥーロ(Turo)、ヌエラ(Nuera)などがユーザーとなっている。
「規模にかかわらず企業は、総務的な業務やさまざまな問い合わせへの対応に頭を悩ませている。スポークは従業員に必要なサポートをリアルタイムで提供する。それにより、IT、人事、総務などの部門は、本来の業務に集中することができる。企業にAIを組み込むことが組織の生産性向上につながることの最たる例」とアクセルパートナーズのヴァス・ナタラジャン(Vas Natarajan)は語った。
創業:2016年
創業者:ジェイ・スリニバサン(Jay Srinivasan)、プラタイアス・パトナイク(Pratyus Patnaik)、デイビッド・カネダ(David Kaneda)
資金調達:Greylock、Accel、Felicis Venturesなどから、2800万ドルを調達
Holberton School:授業料不要、教育の常識を覆す
ホルバートン・スクール(Holberton School)のチーム。
Holberton School
事業概要:プログラミングを教える学校はサンフランシスコに数多くある。ホルバートン・スクール(Holberton School)は、授業料を取らないことで差別化を図っている。その代わりに卒業生は、卒業後3年間、給与の17%を同社に支払う。また同社は正式な教師を雇用したり、講義を行うこともない。ほとんどのカリキュラムは、生徒が特定のプロジェクトに取り組むことや、お互いに教え合うことで成り立っている。
同校は、この授業料無料のビジネスモデルを通して、テック業界にさらなるダイバーシティをもたらすのみならず、テック関連の教育を受けられないような層に教育を提供したいと考えている。すでに生徒の一部は、グーグル、LinkedIn、NASAなどの企業に就職している。
創業:2015年
創業者:ジュリエン・バルビエ(Julien Barbier)、シルベイン・カラチェ(Sylvain Kalache)
資金調達:Ne-Yo、Jerry Yang、Jerry Murdock、Reach Capitalなどから、430万ドルを調達
Crew:ナース、ウェイター、荷物係など、現場を動き回る人向けのスラックのようなアプリ
クルー(Crew)の共同創業者、ダニー・レッフェルとブロック・ミラモンテス。
Crew
事業概要: クルー(Crew)が開発したコミュニケーション・ソフトウエア「クルー」は、PCの前に一日中座っているわけではない人向け。例えば、レストランのマネージャー、看護師、消防士などだ。従業員間でメッセージを送り合えるという点では、スラック(Slack)と似ている。
またシフト調整、業務連絡、マネージャーからのタスクなどを簡単に管理できる機能が備えられているうえ、ユーザーは必要な機能だけを選択して、自身の業務に合うようにカスタマイズできる。
創業:2015年
創業者:ダニー・レッフェル(Danny Leffel)、ブロック・ミラモンテス(Broc Miramontes)
資金調達:Sequoia Capital、Greylockから、2490万ドルを調達
Rothy's: 環境意識が高い世代向けのシューズ
ロージーズ(Rothy's)のフラットシューズ。
Rothy's
事業概要: ロージーズ(Rothy’s)は、ペットボトルをリサイクルした繊維で作られた女性用フラットシューズ。同社の靴は、シンプルで洗練されたスタイルと環境に優しいことから、ヴォーグのファッションエディターやベンチャーキャピタリストからの支持を得ている。同社の靴は3Dプリンターを使って、中国で製造されている。
同社は売り上げや販売数を積極的に開示していない。だが、一時、2万人が黒のシューズの入荷待ちをしていたことを明かした。
創業:2016年
創業者:スティーブン・ホーソンウェイト(Stephen Hawthornwaite)、ロス・マーティン(Roth Martin)
資金調達:Lightspeed、Grace Beauty Capital、M13から、700万ドルを調達
Dote:アマゾンにはない、クールなブランドを集めたショッピングアプリ
ドート(Dote)の共同創業者、ローレン・ファーレイ。
Dote
事業概要:ドート(Dote)のモバイルショッピングアプリは、アップルのオリジナルテレビ番組『アプリの惑星(Planet of the Apps)』から生まれた。
自ら「モバイル・モール」と称する同アプリは主に若い女性向け。セフォラア(Sephora)、ブランディー・メルビル(Brandy Melville)、アーバン・アウトフィッターズ(Urban Outfitters)、アグ(Ugg)など、アマゾンで販売していないブランドが集まっている。
また、同社はアプリの利用を単なる販売の場ではなく、ユーザーに新たな体験を提供するものにしようとしている。ユーザーは、お気に入りのブランドのセール情報を受け取ったり、トレンドに関するまとめ記事などを見ることができるだけでなく、購入したものをソーシャルメディアでシェアすることもできる。
創業:2014年
創業者:ローレン・ファーレイ(Lauren Farleigh)、クリスティ・パズ(Christie Paz)
資金調達:Lightspeed、Harrison Metal、Rivet Venturesから、1080万ドルを調達
Qadium:大企業の巨大なネットワークの安全性を保つ
ケイディアム(Qadium)のCEO、ティム・ジュニオのキャリアはCIAから始まった。
Qadium
事業概要:ケイディアム(Qadium)は元CIAのエージェントが創業、顧客の大企業に代わって、ファイアーウォールの外にあるデバイスや攻撃に対して脆弱なデバイスを見つける。
2016年、プリンターやデジタル・ビデオ・レコーダーなど、セキュリティが甘いネットワーク機器を使った不正アクセスで、アマゾン、Netflix、Twitterといった大手サイトがアクセス不能となった事件を覚えているだろうか? ケイディアムは、このような危機を防ぐためなら、企業は大金を払うと見込んでいる。
同社は、不正接続しているデバイスやセキュリティの甘いデバイスを発見したら、1時間以内に顧客のIT部門に通知し、警告すると保証している。同社はすでにキャピタル・ワン(Capital One)やCVSなどの大口顧客を獲得している。
創業:2012年
創業者:マット・クレーニング(Matt Kraning)、ショーン・マグワイア(Shaun Maguire)、ジョー・マイエロヴィッツ(Joe Meyerowitz)、ティム・ジュニオ(Tim Junio)
資金調達:Founders Fund、New Enterprise Association、Susa Venturesなどから、6600万ドルを調達
PayJoy:信用状況の悪い人のスマートフォン購入をサポート
サービスローンチ初日に撮られたペイジョイ(PayJoy)のチーム。
Payjoy
事業概要:ペイジョイ(PayJoy)は20億人にスマートフォンを提供したいと考えている。20億人に上る人々が、インターネットが利用可能な地域に住んでいながら、インターネットにアクセスする手段を持っていない。同社はこれは本質的にはクレジット(信用)の問題と考えている。これらの人々は、スマートフォンを前払い購入するための現金がないか、信用状況が悪いか、スマートフォンローンで最大500%の利子を取る融資会社と取り引きしたくないかのどれかだ。
ペイジョイのサービスに登録するには、同社のソフトウェアにFacebookアカウント、政府発行の身分証明書の番号、そして電話番号をアップロードするだけ。信用情報は不要だ。同社は、リース後に所有できる「リース・ツー・オウン(lease-to-own)」契約で、スマートフォンの価格の最大80%を融資する。ユーザーは概ね、元の価格の1.6倍の金額を支払うことになる。
同社のサービスを使ったとしても、まだ少し高いように思えるが、競合を利用してスマートフォンを入手するよりも「大幅に安い」と同社はコメントしている。
創業:2015年
創業者:ダグ・リケット(Doug Ricket)、マーク・ヘイネン(Mark Heynen)、ギブ・ロペス(Gib Lopez)
資金調達:Santander、InnoVentures、Union Square Venturesなどから、2715万ドルを調達
Atrium LTS:定型的な法務サービスを自動化
アトリウムLTS(Atrium LTS)のチーム。
Atrium LTS
事業概要:アトリウムLTS(Atrium LTS)は、法務サービスの自動化を目指している。
動画配信サービス、ジャスティン・ドット・TV(Justin.TV)の共同創業者であるジャスティン・カン(Justin Kan)らが創業。同社は不明確な部分はあるものの、法務サービスを「革新する」というビジョンを掲げている。
「我々が構築した技術によって、顧客の想像を越える充実した法務サービスを提供する。コミュニケーションとサービスのスピードを向上させる」 と同社の求人情報に記されている。
100人近い投資家が出資しており、テッククランチによると、これはシリコンバレー史上最大の「パーティーラウンド(大勢の投資家がいるラウンド)」の1つとなっている。
創業:2017年
創業者: オージー・ラコー(Augie Rakow)、ベベ・チュー(Bebe Chueh)、ジャスティン・カン(Justin Kan)、クリス・スモーク(Chris Smoak)、ニコラス・コルテス(Nicholas Cortes)
資金調達: 500 Startups、Arena Ventures、Greylock、GGV Capitaなど100近い投資家から、1050万ドルを調達
Gladly:カスタマーサービスを変革
グラッドリー(Gladly)のチーム。
Gladly
事業概要:人は、チャット、Twitter、メール、電話で企業にクレームを伝えることが大好き。それぞれのクレームに企業は対応し、問い合わせ番号を伝える。そして現状では、顧客は問い合わせ番号やクレーム内容を、何度も何度も、別のカスタマーサービス担当者に伝えるはめになる。
グラッドリー(Gladly)は、問い合わせ番号を整理し、全ての情報を1カ所にまとめることで、この状況を変える。顧客が同じ日に異なる手段で連絡してきたとしても問題ない。同社は最近、ジェットブルー(JetBlue)との提携を発表した。
創業:2014年
創業者:マイケル・ウルフ(Michael Wolfe)、ダーク・ケスラー(Dirk Kessler)、ジョセフ・アンサネリ(Joseph Ansanelli)
資金調達:GGV Capital、Greylock、New Enterprise Association、JetBlue Technology Venturesから、6300万ドルを調達
Modsy:部屋の模様替えをオンラインでサポート
モッジー(Modsy)の創業者、シャンナ・テラーマン。
Noam Galai/Getty
事業概要:モッジ―(Modsy)のサービスを使えば、ユーザーは家具を購入する前に、バーチャルな自宅でレイアウトを試すことができる。
自宅の写真を撮るとテレビゲーム「ザ・シムズ」のような3Dモデルに変換してくれる。その後、同社のスタッフが部屋を新たにレイアウトしてくれる。ユーザーは自分の好きなようにカスタマイズも可能、家具の入れ替えも簡単だ。
創業:2015年
創業者:シャンナ・テラーマン(Shanna Tellerman)
資金調達:BBG Ventures、Norwest Venture Partners、GVなどから、1075万ドルを調達
Zipline: ドローンで医薬品を配送
配送用のパラシュートとパッケージ。
Zipline
事業概要: ジップライン(Zipline)はドローンを用いて、血液やワクチンなどを陸路ではアクセスしづらい地域の患者に届ける。医療関係者は必要なものをメールで注文、ジップラインは配送センターから必要なものをドローンで配送する。配送物はパラシュートで指定の場所に投下され、病院のスタッフが回収する。
現在、同社のサービスはルワンダで提供されており、2018年内にはタンザニアでも開始する予定。配送に必要な時間は30分以下、ドローンは時速110キロメートル、1日に最大500回配送できると同社は発表している。
創業:2011年、サービスの正式ローンチは2016年
創業者:ケラー・リナウド(Keller Rinaudo)、キーナン・ワイロベック(Keenan Wyrobek)、ウィリアム・ヘッツラー(William Hetzler)
資金調達:Sequoia Capital、Andreessen Horowitz、Jerry Yangなどから、4430万ドルを調達
AutoFi:自動車ローンを簡単に
オートファイ(AutoFi)のアプリ。
Screenshot via AutoFi.com
事業概要: オートファイ(AutoFi)のサービスを使えば、カーディーラーの静的なウェブサイトがeコマースのプラットフォームになる。車の購入者はどんなローンを組むかを検討することができ、オンラインもしくはモバイルアプリ経由でローンを申し込むこともできる。同社ウェブサイトによると、ユーザーは申し込みから平均30秒という速さで、ローン審査の可否を知ることができる。その後、ディーラーは購入者がサインする必要がある書類をまとめ、書類と車を購入者の家まで届ける。
2017年の初めにはフォードと提携した。
創業:2015年
創業者:ケビン・シンガーマン(Kevin Singerman)、マンダー・ゴケール(Mandar Gokhale)
資金調達:Crosslink Capital、Ford Motor Credit、Lerer Hippeau Venturesなどから、1900万ドルを調達
Numerai:クラウドソーシングとAIでヘッジファンドを変革
ニューメライ(Numerai)の創業者リチャード・クレイブ。
Numerai
事業概要:ニューメライ(Numerai)は、何千人もの匿名のデータサイエンティストによって作られたAIが運営するヘッジファンド。すべての取引データは暗号化され、データサイエンティストはどのような取り引きが行われているかを知ることができない。彼らがファンドの取り引きを真似ることを防ぐためだ。データサイエンティストへの報酬は仮想通貨で支払われる。
このクラウドソーシングをもとにしたAIの投資成績は不明。ファンドは運用資産の状況を開示していない。だが、ファースト・ラウンド・キャピタル(First Round Capital)やユニオン・スクエア・ベンチャーズ(Union Square Ventures)といった大手VCから資金を調達済み。
創業:2015年
創業者:リチャード・クレイブ(Richard Craib)
資金調達:First Round Capital、Union Square Venturesから、750万ドルを調達
Figma: デザイナーたちの働き方に変革を起こそうとしている。
フィグマ(Figma)の共同創業者でCEOのディラン・フィールド。
Figma
事業概要: フィグマ(Figma)は、ピーター・ティール(Peter Thiel)から起業資金を受け取ったうちの1人が創業したスタートアップ。デザイナーがリアルタイムで共同作業できるプラットフォームを提供する。作業途中の異なるバージョンを保存できるので、古いバージョンに戻って、作業することもできる。
「エンジニアは、チームで作業するためのさまざまなツールを開発してきた。その一方でデザイナーは、共同作業という点では、いまだに暗黒時代にいる」と共同創業者兼CEOディラン・フィールド(Dylan Field)はミディアム(Medium)に投稿した。
創業:2012年
創業者:ディラン・フィールド(Dylan Field)、エバン・ウォレス(Evan Wallace)
資金調達:Greylock、Index Ventures、Adam Nashなどから、1800万ドルを調達
(敬称略)
[原文:The 19 hottest San Francisco startups to watch in 2018]
(翻訳:Yuta Machida/編集:増田隆幸)