Getty/Maja Hitij
- ナイキとアディダスは、小売業の崩壊の影響を免れている数少ない小売企業だ。
- しかし、顧客にどうリーチするのか、規模を通じてなのか質を通じてなのかをめぐっては、2社の考えは異なる。
- ナイキの最新の株価はこちら。
小売業の崩壊が進む中、アディダスやナイキといったアスリート・ファッション企業は、ショッピングモールや百貨店に比べ業績も良く、明るい材料となっている。しかしアスレジャー市場やスニーカー市場をめぐっては、両ブランドが激しく競合しており、その戦い方には大きな違いがある。
競争に勝つためのナイキの計画は、同社CEOのマーク・パーカー(Mark Parker)氏の言う「大きな変革」と関係がある。その計画の大部分は、顧客へのブランドの見せ方を改善し、質に注力するというものだ。同社はこの変革の一部として、提携先の数を3万から40に減らすことを決めた。残った提携業者はナイキと協力し、同社製品にユニークなブランド体験を提供するという。
一方のアディダスは、規模に注目し、全く異なるアプローチを取る。同社CFOのHarm Ohlmeyer氏はUBSに対し、アディダスがアメリカでどのようにしてシェアを増やしていくかを語ったという。
「アディダス・ブランドにとって北米でのポイントは、依然として市場シェアの拡大だ。規模によるてこ上げを図り、収益性を確実なものにする」UBSのアナリスト、フレッド・スパーズ(Fred Speirs)氏は、Ohlmeyer氏とのやりとりについて、メモで述べた。
スパーズ氏は、アディダスができるだけ多くのシェアを取るという長期的な目標と、株主からの短期的な要求のバランスを取ろうとしていると言う。しかし同氏は、スポーツグッズ市場は移ろいやすく、ブランドの人気も変わりやすいと指摘する。
消費者の心が離れたことで、ナイキはその戦略の見直しを余儀なくされた。ナイキ最大のブランド、ジョーダンシューズが良い例だ。誰もが認めるスニーカー市場の王者としての地位を失ったのは、ナイキの生産プロセスが遅すぎたことと提案があまりうまくなかったためだ。
ナイキの株価は今年、9.21%上昇している。一方のアディダスは23.05%の上昇だ。
[原文:Nike and Adidas are trying opposite strategies to dominate the US (NKE)]
(翻訳/編集:山口佳美)