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- アメリカのドラッグストアチェーン大手のCVSヘルスは、医療保険大手のエトナ(Aetna)の買収交渉を進めていると報じられた。これは、ヘルスケア業界への進出が取り沙汰されるアマゾンからビジネスを守る一助になるかもしれない。
- モルガン・スタンレーは、CVSヘルスはその垂直統合戦略に注力すべきであり、アマゾンの翌日・同日配送サービスと正面から勝負するようなことは避けるべきだと述べている。
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アマゾンとは、正面からぶつかってはいけない。
これがモルガン・スタンレーのアナリスト、リッキー・ゴールドワッサー(Ricky Goldwasser)氏のCVSヘルスへのメッセージだ。CVSヘルスは、ヘルスケア業界への進出が取り沙汰されるアマゾンからそのビジネスを守る一助になるであろう医療保険大手エトナ(Aetna)の買収交渉を進めていると報じられている。
ゴールドワッサー氏は、CVSヘルスの強みはその垂直統合にあると言う。同社は過去10年以上にわたって、薬剤給付管理会社のケアマークRX(Caremark RX)や同業大手のオムニケア(Omnicare)を含む数多くの買収を進めることで、顧客へのエンゲージメント、医療サービスへのアクセス、コスト節減を強化してきた。
しかしゴールドワッサー氏は、アマゾンの翌日・同日配送サービスと処方箋調剤で正面から勝負するような計画は、CVSサービスの店頭売り上げに打撃を与えるだろうと見ている。CVSサービスはすでにこうしたサービスを提供し始めており、2018年には全店舗に拡大する計画だ。同社はメール注文サービスについても検討している。
配送サービスを提供している16%の店舗で、来店者数に影響が出るのではないかとの投資家の懸念を、CVSヘルスは否定している。同社は第3四半期の決算発表で投資家に対し、処方箋調剤分野でアマゾンが真剣に競合しようとするなら、独自の配送サービスを提供しなければならないと指摘していたと、ゴールドワッサー氏は言う。
CVSヘルスの次のカタリストは、噂されるエトナの買収発表となるだろうとゴールドワッサー氏は指摘する。買収が成立すれば、同社の既存サービスに統合されるだろう。
「より長期的に見れば、医療保険との垂直統合は顧客数を伸ばし、その定着率を上げ、アマゾンのサービスに対抗し得る、新しい医療サービスの提供につながるだろう」と同氏はそのメモに書いている。
CVSヘルスの株価は今年に入って、14.23%下落している。
[原文:CVS may have a secret weapon against Amazon's move into healthcare (CVS, AMZN)]
(翻訳/編集:山口佳美)