ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を展開するスタートトゥデイは、「あなたの身体を瞬時に採寸することのできるボディースーツ」と銘打ち、伸縮センサー内蔵のZOZOSUITを無料配布することを発表した。
スタートトゥデイ
上下セットで着用し、スマートフォンとBluetooth通信を接続することで、身体のサイズデータが瞬時にわかるという。スタートトゥデイには膨大なサイズデータが集約されることになる。
同時に、同社初のプライベートブランド(PB)の名称は「ZOZO(ゾゾ)」とすることも明らかにした。ボディースーツの無料配布はPB展開の起爆剤とする。日本国内に限らず「無料で世界中に配りまくり、一家に一台の存在にする」(前澤友作社長のTwitterより)と宣言。ボディデータの活用で、ファッションビジネスに一石を投じる構えだ。
前澤社長は「データを元に一人一人にぴったりの服を提供する、世界でも類を見ないファッション企業を目指します」と自身のTwitterで語り、今後のPBの展開に、オーダーメイドの可能性もうかがわせている。
ZOZOSUITは、街頭やコラボ企業経由等、圧倒的な速度で世界中で無料で配りまくり、体重計や体温計のように一家に一台の存在にします。そして、世界中のお客様の体型を最も知り尽くした企業となり、そのデータを元に一人一人にピッタリの服を提供する、世界でも類を見ないファッション企業を目指します。 pic.twitter.com/xNvquY2TJ1
— Yusaku Maezawa 前澤友作 (@yousuck2020) 2017年11月22日
スタートトゥデイはPBについて、発表したリリースで、
みんな違うけど、みんな一緒 世界中のすべての尊い個性がファッションで繋がる未来を目指してブランド 「ZOZO」は始まります
としている。スタートトゥデイのPBは、前澤社長が自ら指揮をとり、全勢力を注いでおり、自身の42歳の誕生日に合わせて、PB戦略の詳細を発表した。これまでにも「究極のフィット感を目指し、科学やIoTも使って実現していく」(前澤社長)と話していた。
ボディースーツはニュージーランドのソフトセンサー開発企業 「StretchSense Limited.」と共同開発。StretchSenseは、ニュージーランド国内外28カ国のテック企業に対して静電容量を利用した伸縮型ソフトセンサーの開発及び製造を受託する技術系企業。オークランド大学のBiomimetrics Labからスピンアウトした企業でもある。2016年スタートトゥデイはこの会社に出資している。
衣料品のeコマースでハードルとなる「試着してから買えない」「サイズが合わない」といった悩みをクリアすると共に、スタートトゥデイが身体サイズのビッグデータを蓄積する狙いがあるとみられる。同社は、2018年春にはアメリカとドイツへもPBで進出することをすでに発表。ZOZOSUITの展開を武器に、スタートトゥデイが世界中の身体サイズのビッグデータを手にする日が来るかもしれない。
追記:スタートトゥデイは同日、ZOZOSUITを共同開発したStretchSense Limited の100%子会社化を視野に、同社とコールオプション契約を締結すると発表した。子会社化が実現すれば、追加出資金額は約7200万ドル(約80億円)となる見込みという。