元グーグルのデータサイエンティストが発見! 成功者の意外な共通点とは

オバマ大統領

Scott Olson/Getty Images

何か悪いことをして有名になったのでなければ、ウィキペディアに自分のページがあるというのは、恐らく誇るべきことだろう。

では、実際にそのレベルまで何かを成し遂げるには、何が必要なのだろうか?

元グーグルのデータサイエンティストで、ハーバード大学で学んだ経済学者セス・スティーブンス・デビッドウィッツ(Seth Stephens-Davidowitz)氏は考えた。

同氏は、ネット検索がいかに人間の思考の奥深くに入り込んでいるのか、その研究内容を『Everybody Lies』という著書にまとめている。

デビッドウィッツ氏は、被験者を研究所に呼ぶよりも、水曜日の夜8時36分に人々が「検索」を通じて、グーグルに何を告白しているのか調べる方法を好んだ。そしてこのデータは、何が人々の成功の決め手になっているのか、その共通点を探るのにも使える。

この調査のために、デビッドウィッツ氏はウィキペディアから全てのページをダウンロードした —— 「最近ではそういったことが出来てしまう」と同氏は書いている。その上で、編集者の承認が得られた個人に関するページ15万人分を、最初のデータセットとして選んだ。同氏が用いた成功の定義は、ウィキペディアに個人のページがあるかどうかというシンプルなものだった。

調査の結果を紹介しよう。


「大学の町」の近くで育った

手を上げて喜ぶ大学生

Christian Petersen/Getty

デビッドウィッツ氏の研究によると、ウィキペディアにサクセスストーリーが掲載されるには、地理的な要素、特に活気のある「大学の町」が近くにあったかどうかが非常に重要だ。

例えば、ウィスコンシン州マディソン、カリフォルニア州バークレー、ノースカロライナ州チャペルヒル、ニューヨーク州イサカといった地域は全て、調査対象のページに頻繁に登場、上位3%に入っている。これらの町には、それぞれウィスコンシン大学マディソン校、カリフォルニア大学バークレー校、ノースカロライナ大学チャペルヒル校、コーネル大学がある。

同氏がさらにデータ分析を進めたところ、大学の町は多くの有名ミュージシャンを輩出していることも明らかになった。

「大学の町の子どもは、ユニークなコンサートやちょっと変わったラジオ局、個人経営のレコードショップなどからの刺激を受けやすい」と、同氏は書いている。

大都市の近隣で育った

大都市

iStock / RoschetzkyIstockPhoto

近くに大学の町がなくても、大都市があれば成功する可能性は高い。大きな裏庭よりも、大きなアイデアの近くにいる方が重要だと、デビッドウィッツ氏は書いている。

「サンフランシスコやロサンゼルス、ニューヨークシティの近くで生まれた人が、最も頻繁にウィキペディアに載るような成功を収めている」その上で、同氏は理由をこう分析する。「都会では、成功モデルに触れる機会が多いからだろう」

ニューヨークシティが輩出する可能性が最も高いのは有名ジャーナリストで、ボストンは科学者、ロサンゼルスは俳優だ。これらは全て、引っ越してきた人ではなく、そこで生まれた人に絞った場合の結果だ。

「それぞれの業界で有名な親を持つ人たちを差し引いても、この結果に変わりはなかった」とデビッドウィッツ氏は言う。

文化的に多様な町で育った

多様な人々

Thomson Reuters

多くの有名人は奇抜なアイデアに囲まれて育ったという発見をさらに追うことで、デビッドウィッツ氏は移民の割合が多い町の方が、そうでない町に比べ、より多くの有名人を輩出していることを突き止めた。

同氏のデータは、両親が移民の場合、この確率がさらに上がることを示している。同じくウィキペディアのデータを使用したMITの「パンテオン・プロジェクト」によると、有名な白人のベビーブーマー世代100人のうち、少なくとも13人は移民の子どもだ。これは、同時期の全国平均の3倍以上に相当するとデビッドウィッツ氏は指摘する。

「2つの場所が同じくらい都会で、大学の規模も変わらないなら、移民が多い場所の方が、より優秀なアメリカ人を輩出するだろう」

何かに特化しているケースも

アイスホッケーの試合

Getty Images

これらがうまくいかなければ、狭く攻めようとデビッドウィッツ氏は書いている。

ミネソタ州のロゾー郡には、他の多くの注目エリアと異なり、都会と呼べるほどの人口も、多様性も、大学の町も存在しない。だが極めてシンプルな理由で、デビッドウィッツ氏のリストに入っている。アイスホッケーのスター選手を数多く輩出しているのだ。

ロゾー郡出身の約740人に1人がウィキペディアに載っている。合計9人、全員プロのホッケー選手だ。「この地域の世界レベルのユースチーム、高校のホッケーのプログラムが大きく貢献しているのは明らかだ」

ちなみに……行政が教育にどれだけ費用をかけているかは関係ない

教室の風景

Summit Public Schools

同氏の研究の結果、それぞれの地域が教育にどれだけ投資しているかと、有名人を輩出するかどうかの間には相関がないことも明らかになった。

「教育に費用をかけることは、子どもたちをアッパーミドルクラス(上流中産階級)に押し上げるには効果的だ」デビッドウィッツ氏は言う。「だが、有名な作家、芸術家、ビジネスリーダーを育てるためには、ほとんど効果がない。大成功を収めた多くの人が学校を嫌い、中退した人もいる」

言い換えれば、教育は人の成長に影響するが、大成功に導くわけでは必ずしもないようだ。ある研究によると、平均的なビリオネアの高校時代のGPA(学業成績、4.0が最高)は2.9だという。

[原文:An ex-Google data scientist studied thousands of successful people on Wikipedia — here's what they have in common]

(翻訳:まいるす・ゑびす/編集:山口佳美)

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