「食べるカクテル」に対する我々の評価は、どちらとも言えない。
Mark Matousek / Business Insider
- スミス&シンクレア(Smith & Sinclair)はラム、ウイスキー、ウォッカ、ジンをベースとした「食べるカクテル」を製造している。
- それぞれの「食べるカクテル」にはショット半分相当のアルコールが含まれている。
- 興味深いアイデアだが、我々の総合評価はどちらとも言えない。
「食べるアルコール」というと、自家製のアルコールゼリー「ジェロ・ショット」やウォッカ漬けにしたクマの形のグミなど、想定外の結果を招くものを思い浮かべる人も多いだろう。スミス&シンクレアはそのイメージを払拭しようとしている。
ロンドンに拠点を置くこのスタートアップのアイデアは、同社の創業者メラニー・ゴールドスミス(Melanie Goldsmith)氏とエミール・バーナード(Emile Bernard)氏が独身者向けに開催したイベント「デートナイト」から生まれたものだ。イベントでは、会話のきっかけ作りにボードゲームを使っていたが、ドリンクを手に持ったままゲームをするのは難しいということに2人は気付いた。
そこでバーナード氏は、通常のドリンクよりも手軽なゼリーベースの「食べるカクテル」のレシピ開発を開始。「食べるカクテル」はデートナイトで好評だったため、ゴールドスミス氏とバーナード氏はこの実験の事業化に踏み切った。
スミス&シンクレアでは現在、8種類のフレーバーの「食べるカクテル」を販売、世界各国に発送している。Business Insiderでは、「食べるカクテル」が本物のカクテルの代わりになるのか、それぞれのフレーバーを実際に試してみることにした。
その結果は以下のとおり。
スミス&シンクレアは、ラム、ウイスキー、ウォッカ、ジンをベースとした「食べるカクテル」を製造している。
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我々は「ミックスセレクションのラージサイズ」を注文した。アメリカでは50.59ドル(約5500円)で購入できる。
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8種類のフレーバーが2個ずつ入っている。
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これはルビー・ミュール(Rhuby Mule)だ。ウォッカ、ジンジャー、ルバーブ香料とライムフレーバーの酸味を利かせた砂糖でできている。モスコミュールに似ている。
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ロングアイランド・ハイティー(Long Island High Tea)は、ロングアイランド・アイスティーに似ている。紅茶風味のウォッカ、ラム、ラズベリーフレーバーの砂糖でできている。
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ゴッドサン(Godson)は、ウイスキーとアマレットの味。
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ウイスキーサワー(Whisky Sour)は、ウイスキーとグレープフルーツ味の砂糖でできている。
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ジン&トニック(Gin & Tonic)は、ジンとレモン味の砂糖。
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エルダーフラワー・スピリッツ(Elderflower Spritz)は、ジンとエルダーフラワーの香料でできている。
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ベリーダイキリ(Berry Daiquiri)は、ラム、ベリー香料、コショウの実の風味の砂糖でできている。
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スパイス・ラム(Spiced Rum)は、ラムとクローブ味の砂糖。
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「食べるカクテル」のアルコール度数は7%で、ショット半分相当のアルコールが含まれている。
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その中身は液体だろうと我々は考えていたが、実際はグミのような食感の固形だ。
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味見した人の一部からは、周辺を汚す可能性がある液体が中に入っているよりも固形の方が好ましいとの意見もあったが、その一方で食感がプラスチックのようで、まぶした砂糖の量が多すぎるとの意見もあった。
味は、とても興味深いものだった。
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含まれているアルコールの量を考えると、かなりアルコールの味がするだろうと想像していた。だが実際は違った。通常のグミに比べ、少し苦みが強く、食感は柔らかかった。甘すぎるとの意見もあった。それぞれのフレーバーの違いはさほど大きくなく、事前にアルコールが入っていると知らなければ、気が付かないかもしれない。
「食べるカクテル」は元々、通常のカクテル・ドリンクに代わるものとしてデザインされたが、我々はドリンクと一緒に食べる方が良いと感じた。
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アメリカで購入する場合、ミックスセレクションのラージサイズは送料込みで50.59ドル。つまり、アルコール1ショットに対して、6.32ドルを支払っている計算になる。ニューヨークのバーの標準価格で考えると普通だが、バー以外の場所で飲むことを考えると、安い選択肢とは言えない。
イギリスで購入する場合、送料が安くなるため、28.99ポンド(約4300円)、1ショットあたり3.62ポンド(約540円)となる。
なお、日本で購入する場合はアメリカ同様、送料込みで37.99ポンド(約5600円)、1ショットあたり4.75ポンド(約700円)だ。
「食べるカクテル」に対する我々の総合評価は、どちらとも言えない。
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中には、味や食感が思ったよりも良かったと感じた人もいたが、その他の人は特筆すべきことはなく、普通とのことだった。コスト面も合わせて考えると、アイデアは興味深いものの、もう一度「食べるカクテル」を購入しようとは、我々は恐らく思わないだろう。
[原文:We tried the 'edible alcohol' that could replace cocktails — here's the verdict]
(翻訳:まいるす・ゑびす/編集:山口佳美)