メルカリがスマホで撮影、即現金化する「メルカリNOW」を開始 盗品・偽ブランド対策も盛り込む

フリマアプリのベンチャー「メルカリ」は、不用品をスマートフォンで撮影し、即時買取・現金化ができる「メルカリNOW」のサービスを27日正午から開始した。「メルカリ新サービス『メルカリNOW』プレス発表会」に登壇したメルカリのプロダクト担当執行役員の伊豫健夫氏は「『やりとりに手間がかかるイメージ』『売れるまで待てない』という要望を受け、よりすべてのお客様に便利なメルカリのサービスを利用してもらいたい」と話した。

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メルカリが27日からサービスを開始した「メルカリNOW」。

メルカリNOWは、手元にある商品のブランドと状態を選択し、スマホのカメラで撮影するだけで、査定金額が提示され、了承すると、売上金をアカウントに即時で支払う。2週間以内に集荷依頼を受け、自宅に無料で集荷し、買い取った商品は「メルカリ」で販売する。

メルカリNOWは、以下の3点の特徴がある。

  • メルカリグループが買い取るため1秒で即お金に変わる
  • メルカリの取引データを利用した「納得の価格査定」
  • 売上金はメルカリ内ですぐに利用可能

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「フリマより早く、より簡単にモノを売る」を特徴にする「メルカリNOW」。

フリマよりも簡単にモノを売る

サービスを始めた背景について、メルカリは世界のダウンロード数が9000万件に達し、利用者からは「売れた商品のうち、約半数が24時間以内に売れる」という評判の一方、「売れるまで待ちたくない」「やりとりが面倒」などの意見があった。

このため、「フリマより早く、より簡単にモノを売ることができる」という即時買取サービスを開始した。「フリマだけではない選択肢を提供することで、メルカリを利用していなかった層へのさらなる利用促進・認知拡大をする」としている。

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メルカリの取引データを利用して、価格の査定で、他社を差別化する。

取引データの査定で差別化

買取金額は1日100万品以上の出品がある「メルカリ」の膨大な取引データを利用して査定する。同様のサービスは、DMM.comに70億円で買収された「CASH」などがすでに提供している。メルカリは、既存の類似サービスに比べ、「納得度の高い金額で、すぐに確実に現金化できる」ことを売りに挙げている。買取の商品カテゴリーは、当初はレディース・メンズの服飾品に限定し、今後の利用状況に応じて、拡大する予定。1日の買い取り上限金額は1000万円。先着順で終了し、毎日10時にリセットされる。

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発表会に登壇した伊豫健夫氏。

偽ブランドや盗品対策は?

メルカリNOWで、偽ブランドや盗品の現金化を防ぐため、カメラロールに保存された写真は利用できない仕様にし、手元にあるもののみ現金化ができるようにしている。

初めてメルカリNOWを利用する際、本人確認書類のアップロードが必要。書類上の住所のみ商品の集荷が可能。売上金は振込時は本人名義の銀行口座の登録が必須になる。未成年の利用は不可。

監視体制には、250人以上のカスタマーサポートが24時間体制で違反商品の監視・削除、問い合わせ対応をしている。手元にない商品や偽造品を現金化したことが判明した場合、売上金を没収し、メルカリのアカウント利用を制限する可能性がある。

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今後は査定金額、カテゴリの拡充などを視野に入れる。

発表会に登壇したメルカリNOWの開発責任者の石川佑樹氏は、「仕事で忙しくて、メルカリの取引に時間をとれない人」などをターゲットに挙げ、「簡単にすぐに確実に売れる」という点数を強化し、「より高く売れる通常のメルカリの出品と使い分けてもらえたら」と話した。

今後の展望に、対応するカテゴリーと査定金額の上限の拡大、出品時の情報入力のAI化の3点を紹介した。

(文、撮影:木許はるみ)

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