火山が噴火すると、なぜ飛行機が飛ばなくなるのか?

アグン山の噴火

アグン山の噴火。

AP

  • インドネシアのバリ島にあるイ・グスティ・ングラ・ライ国際空港は現在、閉鎖されている。空港の閉鎖は、30日午前7時(現地時間)まで延長されている(29日午前11時現在)。
  • これはアグン山の噴火によって、その噴煙が上空2万フィート(約6000メートル)に達したことを受けた警戒措置だ。
  • 火山灰を含む噴煙は、現代の旅客機やそのジェットエンジンに壊滅的なダメージを与える。

インドネシア当局は11月27日(現地時間)、週末にかけて発生したアグン山の噴火を受け、バリ島にある国際空港を閉鎖すると発表した。

ロイター通信によると、バリ島の北東部の端にあるアグン山が噴火したことで、その火山灰は上空1万3000フィート(約4000メートル)、噴煙は上空2万フィート(約6000メートル)の高さにまで達した。

警戒措置として、州都デンパサール郊外にあるイ・グスティ・ングラ・ライ国際空港は、少なくとも11月28日午前7時(現地時間)まで閉鎖されると発表された。その後、空港の閉鎖は11月30日午前7時(現地時間)まで延長された

だが、なぜ火山が噴火するとフライトがキャンセルされるのだろうか? その答えは、火山灰が民間旅客機に壊滅的なダメージを与えるからだ。

その最も有名な事例が、1982年6月24日に発生したブリティッシュ・エアウェイズ9便エンジン故障事故だ。インドネシアにあるガルングン山が噴火し、その火山灰雲の中を同社の航空機が通過したときにその事故は起きた。

ボーイング747がマレーシアのクアラルンプールからオーストラリアのパースを目指し、高度3万7000フィート(約1万1300メートル)を飛行していたとき、パイロットはエンジンを不気味な光が包み込む、セントエルモの火と呼ばれる放電現象を確認した。それは747の翼の先端部分全体を包み込んでいた。

その直後、エンジンに異常が発生し、機内には硫黄臭のする煙が立ち込めた。

すると、間もなく4基全てのエンジンが停止。パイロットはエンジンの再始動を試みたが、ジャンボジェットはグライダーのように滑空し始めた。

航空機は高度を2万5000フィート落とし、パイロットがエンジンの再始動に成功したときには、高度1万2000フィートまで下がっていた。後に、これは溶融灰がジャンボジェットのロールスロイス・ターボファン・エンジン4基を詰まらせたことが原因だと判明した。機体が高度1万2000フィートに達したときには、溶融灰が冷え固まり、剥がれ落ちたことで、詰まりが解消され、エンジンの再始動が可能になった。

だが、火山灰はまた別の問題も引き起こしていた。エンジンは再始動したものの、パイロットの視界は極めて悪く、飛行は困難だった。時速350マイル(約560キロメートル)のスピードで吹き付ける火山灰によって、フロントガラスはほぼ何も見えない状態だった。幸いなことに、パイロットたちは両サイドの窓を使い、ジャカルタ空港に着陸することができた。搭乗していた乗客248人と乗員15人は全員無事だった。

この事故により、エンジン4基、そして747機は壊滅的なダメージを被った。

1989年には、KLM航空が同様の事故を経験した。同社のボーイング747-400がアラスカのリダウト山上空の火山灰雲を通過した後、エンジン4基が停止するトラブルに見舞われた。このときも、航空機は高度を1万3000フィートに下げた後、エンジンの再始動に成功、アンカレッジに緊急着陸した。

今日、飛行機に乗る我々にとって幸いなことに、航空会社はこれらの事故から教訓を得ている。噴火する火山の付近を飛行することは危険であり、航空会社にとっても非常に高くつく、ということだ。

[原文:Why planes don't fly during a volcanic eruption]

(翻訳:まいるす・ゑびす/編集:山口佳美)

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