メルカリ、ヤフーら参戦で激戦区化する「買取り市場」、各社ねらう年末大掃除の不用品

フリマアプリのベンチャー「メルカリ」が11月27日、不用品をスマホで撮影して現金化する「メルカリNOW」を発表し、質屋アプリ「CASH」が先行する「ノールック買取り」の市場に参入した。

実はヤフーも先行すること1週間前の20日、ブックオフなどと連携した買取りサービス「カウマエニーク」を始めている。アマゾンも2016年からすでに買取サービスを強化しており、オンラインショッピングのCtoC市場が混戦してきた。

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メルカリNOW、ヤフー、アマゾンなど、ネットショッピング各社が新たな買取サービスを提供し始めた。

メルカリNOWが発表された27日、同様の買取りサービスで先行する「CASH」は、買い取りの最低価格を1000円と発表するなど、ノールック買取り市場が一気に注目を集めた。27日はメルカリNOW、CASHともに、ツイッタートレンド入りし、夕方~夜には、1日の買い取り上限価格に達した。

28日も午後2時時点で、メルカリNOWは、すでに「本日は上限金額に達したため終了しました。明日AM10:00より再開します」と表示。人気のほどがうかがえる。買取市場のにぎわいは、ノールック買取りに限らない。11月に入り、ヤフーのほか、中古品販売の「コメ兵」ともに新たな買取サービスを発表している。

ヤフーはポイントでお得感

ヤフオク!は20日、ブックオフの店舗への持ち込み、宅配買取(自宅集荷など)、自宅で買取・査定ができる「出張買取」の3つの買い取り方法の選択できる「カウマエニーク」を始めた。店頭買取、宅配買取は取引詳細ページから査定結果を確認する。 買取代金をポイントで受け取ると、「最大35%お得に期間固定Tポイント」(Yahoo! JAPAN、LOHACO、GYAO!で利用でき、有効期限がある)がもらえる。対象商品は、ブランド品や衣類、ガジェット製品、家電、スポーツ用品、本など。買い取った商品は、ブックオフ店頭または、ヤフオク!で販売する。

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ヤフーは20日、ブックオフと連携した買取サービス「カウマエニーク」を発表した。

出典:ヤフオク!

コメ兵は鑑定士のお墨付き

コメ兵も7日、メルカリを対抗軸に、鑑定付きのフリマアプリ「KANTE」を開始した。KANTEは、宝石や時計、バック、衣類品のブランド品を対象に、スマホで商品を撮影し、情報を入力してアプリに出品する。買い手がつかない場合は、コメ兵の鑑定士が査定して買取参考価格が提示され、買取サービスも受けられる。 出品者はコメ兵の鑑定士が判定した後、発送する仕組み。

コメ兵がフリマアプリやネットオークションの利用についてアンケートした結果、「個人間取引でブランド品などの高級品を取引することに不安を感じている」は約7割、「本物かわからないこと」を不安の理由に挙げた人は8割以上いた。このため、KANTEは、鑑定士のお墨付きを得て、ブランド品の信頼を売りにする。

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コメ兵が7日から開始したフリマアプリ「KANTE」。

出典:コメ兵

これらの新規参入業者以外に、ヤフーがライバルに挙げるのは、アマゾン、トレジャーファクトリー、買取王子などがある。

アマゾンは2016年6月から買取市場を拡大

アマゾンは、ベンチャー企業「リコマース」と「マーケットエンタープライズ」と提携し、2016年6月から、買取り対象を従来の本やCDなどから、家電や楽器、腕時計、バックなどに拡大した。宅配買取と出張買取が可能。買取り価格はウェブサイトの買取り価格リストで事前に調べることができる。出張買取の買取金額をアマゾンギフト券で受け取ると、買取金額を20%アップする。

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アマゾンは、リコマースなどと連携し、2016年6月から買取対象を拡大している。

出典:amazon

ネット買取の専門やLINE査定の業者も

買取王子は、ネットの買取サービスに特化している。ネットで申し込み、自宅から不用品を発送。査定金額をメールで受け取る。

トレジャーファクトリーは、店舗への持ち込み、宅配買取、出張買取に対応し、買い取った商品は、関東を中心に展開する店舗で販売する。

このほか、大黒屋は、LINEで不用品の写真を送り、数分後に査定結果が出る「LINE査定」、メール査定、宅配買取や出張買取と、幅広い買取の選択肢を提供する。

メルカリNOWは現時点で、買取をブランド品の服飾に限定、CASHはブランド品やスマホなどのガジェット品を対象にする一方、ヤフーやアマゾンは、出張買取を取り入れ、大型の家具や家電も買取の対象にしている。また、ヤフーやアマゾンは、ポイントやギフト券を利用して、買取金額を増額し、お得感を売りにしている。

大掃除の不用品は1人あたり5.8万円に相当

メルカリが全国の1000人を対象に意識調査をした結果によると、昨年の大掃除で処分されたモノの上位3つの推定機会損失額(売り損ないの金額)は1人当たり約5.8万円に上るという試算もある。

不用品だけに玉石混交だが、その中には価値があるものも捨てられている、ということだ。各社がねらうのはまさにここ。放っておけばただのゴミとなっていく「価値ある不用品」だ。

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私たちは1回の大掃除で5.8万円も売り損ないをしている?。

出典:メルカリ調べ

(文、撮影:木許はるみ)

編集部より:初出時、アマゾンの提携買取りサービスに誤解を招く恐れのある表現があったため修正しました。2017年11月29日 17:50)

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