iPhone Xの「スーパーサイクル」は幻だった —— UBS証券が指摘

iPhone Xのスーパーサイクルとは?

Hollis Johnson

  • iPhone Xは顧客のスマートフォンの買い替えを喚起するはずだったが、どうやらそれは起こらなかったようだ。
  • アップルはアメリカ市場における勢力拡大の限界に達しているようだ。
  • 同社は既存のiPhoneオーナーからの売り上げを伸ばし、世界シェアの拡大に注力する必要がある。
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iPhone Xの発売前、アナリストはそれがスマートフォンの買い替えの「スーパーサイクル」を喚起するだろうと推測していた。ほぼ3年間、アップルの新型スマートフォンのデザインは変わらず、ユーザーの買い替えは進まなかった。

iPhone Xは9月に発表され、iPhone 6以来のデザイン変更となった。ベゼルレスディスプレイと顔認証技術はアップグレードを促すと期待されたが、UBS証券のアナリスト、スティーブン・ミルノビッチ(Steven Milunovich)氏によると、それは起こらなかった。

「(2018年の会計年度は)おそらくスーパーサイクルとはならず、堅調な1年になるだろう」ミルノビッチ氏は27日(現地時間)、顧客に向けたメモの中で述べた。iPhoneの販売台数は増加しているが、これは多くのアナリストが期待していた「スーパーサイクル」と呼べるようなものではない

スーパーサイクルを逃した理由はいくつかある。ミルノビッチ氏は、アメリカのおよそ3億2000万の人口のうち、アップグレードの可能性があるiPhoneを所有しているのは、わずか48%である点に着目する。つまり、アップグレードのサイクルが2年だとすれば、iPhoneの買い替えを考えているユーザーは毎年、たったの約7500万人ということになる。ミルノビッチ氏は、アップルがアメリカ市場で限界に達しており、より多くのスマートフォンを販売するにはシェアを広げる必要があると示唆している。

また、多くのアナリストは、iPhone Xの価格の高さや供給台数の少なさを危惧していた。iPhone Xはアップルがこれまで発売した中で最も高額なスマートフォンで、発売日に購入できたのは、たった数百万人だった。しかし、生産上の問題は改善されてきたようだ。価格設定の高さがユーザーを遠ざけたのかもしれない。同じく9月に発表された他のオプション(iPhone 8/8 Plus)は、これまでと同一デザインを維持している。

ミルノビッチ氏は、既存ユーザーからの売り上げを増やすことは、デバイスの販売台数を増やし、マーケットシェアを拡大することの次善策だと言う。

「株価のナラティブはiPhoneのサイクルから、アップルはどのようにして製品やサービスの追加を通じたインストールベースからマネタイズするのかという、iPhoneが生み出す利益にシフトすべきだ」と同氏は指摘する。同社はすでにこれに取り組んでおり、直近の四半期ではサービス事業の売り上げが全体の16.2%にあたる85億ドル(約9500億円)に達した。新型iPhoneの高価な価格設定も、iPhoneの売り上げを平均して伸ばすことになるだろう。

アップルにとって、国際市場はまた別の潜在的なターゲットだ。アメリカ市場が飽和状態でも、中国やその他の地域ではまだまだ多くの成長の可能性が存在するとミルノビッチ氏は語っている。

同氏はアップルの株を買いと判断し、その目標価格を174ドル付近から約8.6%高い190ドルに設定した。

アップルの株価は今年、80.07%伸びている。

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Markets Insider

[原文:UBS: The iPhone X upgrade 'supercycle' is a myth (AAPL)]

(翻訳:塚本直樹/編集:山口佳美)

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