VR表示向けにレンズを独自設計したゴーグルとモーションコントローラーのセット「Daydream View」。日本での価格は1万2000円(税込)。
ビデオ会議で会見に参加したグーグル本社のDaydreamプロダクト・マネジャーのアンドリュー・ナートカー氏。
グーグルは12月13日、Androidスマートフォン向けのVR周辺機器「Daydream View」(デイドリーム・ビュー)をGoogleストアで発売する。Daydreamはすでに2016年末からアメリカでは正式展開しており、日本にはおよそ1年遅れでの上陸となった。予約は12月1日に開始した。
ビデオ会議で会見に参加したグーグル本社のDaydreamプロダクト・マネジャーのアンドリュー・ナートカー(Andrew Nartker)氏によると、このタイミングでの日本ローンチとなったのは、「サービス開始時には「エキサイティングな体験」が必要で、コンテンツパートナーと端末パートナーをベストの状態にすることが必要だと考えた」ためだと説明。そうした周辺のベストな状況が揃ったのが今だった、ということのようだ。
AndroidのVRコンテンツにはDaydream対応のアプリと、「カードボード」と呼ばれるダンボール製のハコスコのような簡易的なシステムがある。Daydream対応タイトルは、Daydreamレディ端末のみで表示される仕組みになっている。そのため、Daydream Viewは必ず対応端末とセットで楽しむもの、ということになる。
Daydream Viewの機材一式。モーションコントローラーは手前の大きく窪んだ部分も含めて3つのボタンがある。また先端部分がタッチセンサーにもなっていて、指でスワイプすることで横スクロール操作などもできる。
カバーを開いたところ。柔らかいファブリック風の手触りのゴーグルに、レンズが付いているだけというシンプルな設計であることがわかる。Daydream対応スマホをセットしてフタを閉めれば、ゴーグルがVRゴーグルになる仕組みだ。
発表会の後半ではGREEのDaydream対応タイトル「釣りスタVR」の担当者も登壇した。釣りスタVRは先行してアメリカでサービスインしている。
釣りスタのVR対応版。Daydream完全対応で、モーションコントローラーを「釣竿」として使える。
記者発表終了後のメディア向け体験会の様子。Oculus Riftのような専用ゴーグルのハイエンド環境ではないものの、表示は極めて鮮明。釣竿を扱うようなモーションコントローラーのわかりやすい操作とのマッチングの良さもあり、「簡易版」的な印象は全くなかった。
GREEでVR Studio部釣りスタVRプロデューサーの渡邊 匡志氏によると、先行するアメリカでの課金や売上の状況については、「正直、まだ業界関係者が手当り次第に買ってるのではないかという状況」と、まだ需要やダウンロードされやすいプライスポイントを見つけるといった一定の結果が判断できる状態にはなっていないという認識を示した。
一方で、VR開発環境としてのDaydreamの完成度は高いとも評価する。例えば、Daydreamの認定条件(Requirement)をとるための細かな項目は、VR酔い防止など、VR体験を一定以上に向上させるような実践的な内容になっているという。この統一基準を満たすコンテンツを作れば、自然と良い体験のVRゲームになる、と語った。
■関連リンク:Google Store(Daydream View)
Daydreamは、テレビに接続する「Chromecast」への同時出力が可能なことも特徴。ゴーグルを装着しながら友人と一緒に鑑賞、というような用途を想定。
国内での対応端末は7機種
パートナーにはAbemaTV、コロプラのほか、コンソールゲームからの移植として音楽シューティングRez Infiniteも。
Daydreamのホーム画面。VR空間の目の前に浮かび上がるメニューを、モーションコントローラーで操作する。
(文、撮影・伊藤有)