異例の見学ツアーへ、米海軍で最も恐れられる原子力潜水艦「自由の鉄槌」の内部

ジョン・ウォーナー

原子力潜水艦ジョン・ウォーナーは哨戒、偵察、捜索・救助、そして対地ミサイルや魚雷、機雷による攻撃まで幅広い任務を遂行する。

Daniel Brown/Business Insider

2015年に就役したバージニア級攻撃型原子力潜水艦ジョン・ウォーナー(John Warner)は、アメリカ海軍で3番目に新しい原子力潜水艦。

我々はノーフォーク海軍基地に停泊中のジョン・ウォーナーを見学するチャンスを得た。

名称は元上院議員ジョン・ウォーナー(John Warner)氏にちなんで付けられたが、乗員たちはこの艦を「Sledgehammer of Freedom(自由の鉄槌)」と呼んでいる。ジョン・ウォーナーは哨戒、偵察、捜索・救助、そして対地ミサイルや魚雷、機雷による攻撃まで幅広い任務を遂行する。

ジョン・ウォーナーはもとより、潜水艦は一般的に機密性が高く、公開されることは珍しい。

レアな見学ツアーで見たジョン・ウォーナーの内部を紹介しよう。

とある夕暮れ、我々はノーフォーク海軍基地の潜水艦ドックに向かった。乗員が特殊部隊用のコンテナ(SOFボックス)を積み込んでいた。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider


全長377フィート(約115m)、幅34フィート(約10m)、高さ50フィート(約15m)。艦橋頂部のアンテナは機密事項、撮影は許されなかった。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider

排水量7800トン、潜航深度800フィート(約244m)以上。

案内係はマーク・アイヘンラウブ上級上等兵曹。まず前部にある巡航ミサイルの垂直発射管について説明してくれた。

巡航ミサイルのほか、魚雷や機雷、対艦ミサイルなどを38基、搭載可能。特殊部隊ネイビーシールズ用の居住区画もある。

艦内へ。入り方は動画で。


バート・J・カンフィールド艦長が指揮する艦の内部は、3層に分かれている。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider

最上部の大部分は乗員の生活区画、中間部は運航や火器の管制を行う区画、最下部には原子炉や各種装置がある。

最上部に入ってすぐの様子。見ての通り狭い。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider

「ロックアウト・トランク」。ネイビーシールズが出撃する場所。

ジョン・ウォーナー_ロックアウト・トランク

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「潜航中、シールズが出撃する際には、まずここに部隊が入る。14人。そして海水を入れ、外の水圧と合わせる。水圧が合ったらハッチを開き、出撃する」とアイヘンラウブ上級上等兵曹。

またシールズは、ここでSOFボックス(1枚目の写真で紹介したシールズ用のコンテナ)に収められた武器などを装備する。

動画で見ると、ハッチの様子が良く分かる。



中間部へ向かう途中、乗員が電装部品を点検していた。

ジョン・ウォーナー

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カウンターメジャー(デコイ)の発射装置は中間部の小さな部屋に配置されていた。

ジョン・ウォーナー

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カウンターメジャーの反対側には食料保管棚。艦内には保管棚がいくつもある。1回の任務に食料は数カ月分が必要。

ジョン・ウォーナー

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保管棚の奥行きは15フィート(約4.6m)。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider


食堂は艦内で最も広いスペース。右側にあるのはソフトクリームのサーバー。

ジョン・ウォーナー

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反対側の壁には「The sledgehammer of freedom」と書かれたプレート。下に本物のハンマーがかかっている。初めての任務の際、艦長がスピーチの中でこのニックネームを使ったことから、乗員たちはこの艦をそう呼ぶようになった。

ジョン・ウォーナー

Screenshot/Daniel Brown/Business Insider

一方で、士官らはもう1つ別の鉄槌を掲げている —— 「Sledgehammer of Democracy(民主主義の鉄槌)」だ。

士官には専用の食堂がある。右後方のドアから、キッチンスタッフが食事を運んでくる。艦長は「民主主義の鉄槌」を背に、星があしらわれた椅子に座る。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider


クローズアップ。

ジョン・ウォーナー

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司令室。最も機密性が高いエリア。見学に伴い、モニターは全て切られている。写真も、機密性が高い部分は切り取ったり、ぼかしたり、暗くしてある。

ジョン・ウォーナー_管制室

Daniel Brown/Business Insider


ソナー、火器管制、そしてナビゲーション用コンピューターなどが全て司令室にある。



ソナーシステム。艦首ドーム内の大口径バウアレイ(Large Aperture Bow Array)は他の艦が発する音波を探知する。時には海中生物が発する音波をキャッチすることもある。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider

またジョン・ウォーナーは、従来の潜望鏡ではなく、非船殻貫通型の潜望鏡を使っている。マストに備え付けられたカメラが水上の様子を映し出す。映像は艦内のあらゆるモニターで確認できる。

火器管制について説明するアイヘンラウブ上級上等兵曹。ここから魚雷や巡航ミサイルを発射する。




カウンターメジャー発射用のコンピューター。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider


この動画では2つの航行マネジメントシステムについて説明。航路を策定し、誘導する。


司令室を出る時、上級上等兵曹は乗員が「金魚鉢」と呼ぶケースを見せてくれた。

ジョン・ウォーナー

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艦に配属された海兵は、艦内の全てのシステムに精通していると証明する交戦資格が与えられるまで、“本物の潜水艦乗り”と見なされない。その日を目指し、ケースにはモチベーションアップのために“本物の潜水艦乗り”の名札がかけられている。

アメリカ海軍の全ての潜水艦に「金魚鉢」がある。



乗員のベッドは艦内のあちこちにある。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider


スペースは、かなり狭い。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider


副艦長のベッド。少し広い。



いよいよ、魚雷発射室へ!


ウォータージェット推進方式のマーク48(Mark 48)大型誘導魚雷。速度は時速50マイル(時速約80キロ)以上。だが、最高速度は機密事項。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider

Mk48魚雷の詳しい記事はこちら(英文)

乗員たちはしばしば、魚雷に恋人にちなんだニックネームをつける。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider


4つある魚雷発射管のうちの1つ。再装填や発射にかかる時間は機密事項。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider


魚雷室担当の乗員は魚雷の横で寝る。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider


最下部ではバックアップ用のディーゼルエンジンを見せてもらった。だが原子炉は最大の極秘事項。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider

S9G加圧水型原子炉により、ジョン・ウォーナーは水中を時速25ノット(約46キロ)で航行可能。

ディーゼルエンジンの近くには酸素発生器。換気装置を通して艦内に酸素を供給する。

ジョン・ウォーナー

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見学ツアーはここまで。刺激満載の素晴らしい体験だった。

ジョン・ウォーナー

Daniel Brown/Business Insider


[原文:We took a rare tour of one of the US Navy's most dangerous warships — nicknamed the 'Sledgehammer of Freedom'

(翻訳:忍足 亜輝/編集:増田隆幸)

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