何でも一度にやる必要はない。
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- 20代のうちにやっておきたいことリストがあるのなら、それは個人的なものであるべきだ。
- マラソンを完走する、仕事を辞めるといった経験を含む必要はない。
- 30歳になるまでの人生が冒険に満ち、成功し、この上なく幸せだと思えなかったとしても、問題はない。
誰にでも後悔がある。行ってみたかった国、デートに誘いたかった相手、反論すべきだった上司など、挙げ始めると切りがない。
そうした話を聞くと、手遅れになる前に、子どもやローン、膝の痛みでがんじがらめになる前に、今すぐやりたいことを全てやらなくては! という気持ちになるかもしれない。
だが焦ることはない。もし20代のうちにやっておきたいことリストを作っているなら、個人的なことに留めておこう。他の人がやっておけばよかったと考えているような経験を入れる必要はない。リストに必ずしも含める必要のない7つのことを、その理由と合わせて紹介しよう。
世界を旅する
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子どもを持ったり、ペットを飼ったり、住宅ローンを抱える計画があるなら、年を取ってから、思いつきでオーストラリアに出かけるのは難しくなるだろう。
だが、自分にとって意味を持たない経験を、無理にする必要はない。24歳のINSIDERのクリスティン・サラキー(Kristin Salaky)記者は、北米から出たことがない。飛行機が好きでなく、家に近いところで楽しむことを好むからだ。
旅行は楽しむものであり、義務ではない。行ったことのない場所がたくさんあるからと言って、ストレスを感じる必要はない。
業界の全ての人とつながりを持つ
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専門家はネットワーキングを礼賛し、カンファレンスやハッピーアワーなどのイベントに参加して、共通の目的を持つ専門家同士が関係性を築くことを奨励するだろう。
だが、ペンシルべニア大学ウォートン校の心理学者アダム・グラント(Adam Grant)氏は、少し異なる見解をニューヨークタイムズで述べている。おしゃべりに興じるのではなく、仕事に打ち込むことに集中し、自然に関係性が構築されるのを待つべきだ、と。その分野に最も明るい人物の1人との評判を勝ち取れば、人はおのずとあなたに近づいてくるだろう。
会社を辞める
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大半の人にとって、上司に退職を告げることは、映画で見るようなドラマティックな経験ではないだろう。どれだけ職場に不満があっても、どれだけ職場を後にする最後の瞬間を待ち望んでいたとしても、自分が仕事を辞められるような立場にないかもしれない。いずれにせよ仕事があるなら、自分がもっと働きやすくなるような工夫をしてみよう。
スタンフォード大学のビル・ブルネット(Bill Burnett)教授とデイブ・エバンス(Dave Evans)教授は、「グッドタイムジャーナル」を付けることを勧めている。最初の部分は活動記録で、主な活動の内容と、自分がそれにどれだけ集中し、情熱を持って取り組んだかを書いていく。
次は反省だ。活動記録を振り返り、パターンやサプライズを見つける。その上で、自分にとって面白くないタスクを削る方法を考え、代わりに大切な人と過ごす時間を増やす方法を考えてみよう。
理想の仕事を見つける
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同様に、あなたが「理想の仕事」に就くことは、恐らくないだろうということを覚えておいて欲しい。20代でもそれ以降でも。
「自分のスキルや情熱の向かう先と同じ方向にある仕事を探すべきだ」行動経済学者のダン・アリエリー(Dan Ariely)氏は、Business Insiderにこう語っていた。そして、その仕事により適応できるよう工夫すべきだ、と。
リーダーシップの専門家サイモン・シネック(Simon Sinek)氏は、Business Insiderに語っている。「完璧な仕事がいつか奇跡的に降って湧いてくると考えているような人は、転職を何度も繰り返すだろう。残念ながら、あなたが探しているものが見つかることはないだろう」
もしくは、理想のパートナーを見つける
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20代でパートナーがいなければ、出会い系アプリを使っている可能性もあるだろう。つまり、24時間365日、いつでも数千人の同世代の「恋人候補」にアクセスできるということだ。だが、何を基準に選べばいいのだろう?
実際のところ、あなたに合う人はたくさんいるだろう。カップルセラピストのエステル・ペレル(Esther Perel)氏は、「運命の人」など存在しないとBusiness Insiderに語っている。「あなたが誰かを選び、その人と共に何かを築き上げていく決断をするだけだ」
そこから、できるだけ強く、充実した関係を築く努力をしていくのだ。
自分の見た目を100%受け入れる
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自分の容姿に自信を持つことは大切なことだ。むしろ、そう努力すべきだ。それでも肌や体重や髪など、気になる部分もあるだろう。だが、それでいい。20代のほとんどが自分自身に対して同じように感じている。
実際、Business Insiderのクリス・ウェラー(Chris Weller)記者の報告によると、身体イメージは70歳を超えてからピークを迎えることがギャラップの調査によって明らかになった。「自分の身体的な見た目について、常に心地良く感じている」との文章に対して、80代前半の男性の約75%が同意している。女性の場合は、74歳前後で70%が同意している。
マラソンを完走する
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友人が揃って応援してくれる中、42.195キロメートルを完走するのは夢のような体験だろう。マラソンを走るには、何十年先よりも今の方が肉体的に適しているのも間違いない。
だが、Business Insiderのエリン・ブロッドウィン(Erin Brodwin)記者によると、長距離走は健康に悪影響をもたらす可能性があるという。長時間の激しい運動は、免疫機能の低下や消化不良と関連しているとする研究もある。
ブロッドウィン記者は、マラソンに向けたトレーニングをする代わりに、数分間激しい運動を行って休憩を取り、それを繰り返す、インターバルトレーニングを勧める。健康にとっては、インターバルトレーニングの方が良いとの説もある。
[原文:7 things people think they have to do in their 20s that can wait until later in life]
(翻訳:まいるす・ゑびす/編集:山口佳美)