コロラド州で販売されている合法大麻。
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コロラド州プエブロ郡の高等教育が新たな局面を迎えている。
今年2月、地元当局はこの種のものとしては初の試みとなる奨学金が、47万5000ドル(約5300万円)の資金を集め、高校の卒業生が地元の大学に行けるよう支給されると発表した。その資金の大部分、約42万5000ドル(約4800万円)は、合法大麻の税収だ。
「数年前までは、こうしたお金はブラックマーケットで麻薬組織へと流れていた」とプエブロ郡のサル・ペース(Sal Pace)氏は、KKTVのインタビューで語った。
「麻薬組織の資金となっていたお金を今では、大学の奨学金として使うことができる」
2012年以降、コロラド州ではマリファナの娯楽使用が合法となっている。観光都市コロラドスプリングズから1時間ほど車で南下した場所にあるプエブロ郡は、2016年、郡内で栽培された大麻に対して2%の税金を課した。税率は2021年まで毎年1%ずつ増加される。
プエブロ郡の住民で今年の春、高校を卒業する学生は、この奨学金を受け取る資格が自動的に与えられる。郡当局は、すべての応募者に対して1000ドル(約11万円)の支給ができると想定しており、学生はそのお金をプエブロ・コミュニティ・カレッジ(以下、PCC)、もしくはコロラド州立大学プエブロ校の学費の支払いにあてることができる。コロラド州立大学プエブロ校には、毎年300人〜400人ほど新入生が州内からやってくる。
私立大学の場合、1000ドルではほとんど学費の足しにはならないが、州内出身者の学費は、PCCでは年間3000ドル(約33万円)、コロラド州立大学プエブロ校では年間6000ドル(約67万円)しかかからない。この奨学金によって、学生ローンの額を大幅に減らすことができる。
しかもこの奨学金は、税率の増加に伴い、さらに資金の増加が見込まれる。ペース氏は、昨年は大麻栽培許可を持つ業者の半分しか稼働していなかったので、稼働する栽培業者が増える今年は、郡の税収が増えるとハフィントン・ポストに述べた。
合法大麻の税収を有効活用しているのはコロラド州だけではない。
2016年に大麻の娯楽使用を合法化し、2018年から小売店での販売を開始するカリフォルニア州では、大麻の購入に対して15%の税金が課され、年間で最大10億ドル(1000億円以上)の新しい税収が見込まれる。地域社会に分配される予定の1000万ドル(約11億円)は、麻薬戦争によって損害を被った地元地域を活気づけるため使用される。
[原文:A Colorado county is sending students to college on the $445,000 it made from legal weed]
(翻訳:Wizr)