The Guardian Project
- アメリカ国家安全保障局(NSA)の外注先技術者で、内部告発をしたことで知られるエドワード・スノーデン(Edward Snowden)氏が、スマートフォン向けのセキュリティーアプリ「Haven」を開発した。
- このアプリは、スマートフォンを携帯用セキュリティーシステムに変えるものだという。
- 現在、オープンベータ版が無料で配布されている。
NSAによるスパイ行為を告発したスノーデン氏の次なるプロジェクトは、人々のプライバシーを保護するスマートフォンアプリ「Haven」の開発だ。
このアプリは、アンドロイド携帯をオール・イン・ワンのスパイ防止システムとして利用できるようにする。
「どんなホテルにも連れて行けて、留守を任せられる番犬を想像してほしい」スノーデン氏は、22日に公開されたWiredのインタビューで語った。「とても賢く、起きたこと全てを監視し、その記録を残す」
使い方は簡単だ。安いプリペイド携帯(使い捨てられるもの)にアプリをインストールし、監視したいところに置くだけでいい。
スノーデン氏と共同でHavenの開発に取り組む、The Guardian Projectによるプレゼンテーション。Havenは、他の監視システムと違い、企業のクラウドにはつながっておらず、所有者が完全にコントロールできるという。
The Guardian Project
例えば、海外のホテルに滞在中、行動を監視されているのではないかと不安になったら、どうすればいいか? からっぽの安価なアンドロイド携帯にHavenをインストールすればいい。
Havenは、誰かが部屋に入ってきたら、動画や写真を撮影するよう設定できる。これらの記録は、Signalなどの暗号化コミュニケーションツールを介して、手元のスマートフォンへ安全に送信される。
上のプレゼンテーション資料にもあるように、HavenはSignalやTorのような暗号化通信サービスを使い、ユーザーだけが、通信を完全に掌握できるようデザインされている。
つまりHavenは、スマートフォンを個人向けのセキュリティーシステムに変える、ということだ。
「我々は、Havenを調査報道や人権擁護活動に携わる人々、危険に晒されている全ての人々のためにデザインした」スノーデン氏は、アプリの紹介動画の中で説明している。
その上で、同氏は加えた。「Havenは人々を抑圧 —— 強制捜査や家宅捜索、逮捕 —— することを困難にし、活動が妨げられることを防ぐ」
Havenは現在、無料で提供されており、誰でも試すことができる。ただしオープンベータ版のため、一部機能しなかったり、全く使用できない可能性もあるため、使用する際は注意が必要だ。
Havenについて、さらに詳しい解説は以下の動画で見ることができる。
[原文:Edward Snowden created an app that turns smartphones into security systems aimed at thwarting spies]
(翻訳:忍足 亜輝/編集:山口佳美)