「インスタ映え」の次は「ストーリージェニック」:2018急上昇ワード

2017年の流行語大賞に選ばれた「インスタ映え」。デザートや観光地、キラキラした「映え」するスポットが溢れた。この「映え」現象、2018年も続き、さらにカラフルなモノが溢れ返るのか。

パラレルキャリアを実践する“パラキャリ女子”として知られる「ハピキラFACTORY」代表取締役の正能茉優さん(26)は、2018年の「映え」は、「『ストーリージェニック』を求めるようになる」と予測する。「映え」疲れした人々が向かう、ストーリージェニックとは?

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2018年注目の「ストーリージェニック」とは?

提供:正能茉優

正能さんの言うストーリージェニックは、「つい発信したくなるような、ストーリー性のこと」。例えば、インスタ映えする見栄えの良い高級旅館ではなく、「『川端康成が執筆活動のために滞在していた旅館』の方が好まれるのでは」という。

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正能さんがストーリージェニックな事例として挙げた旅館の写真。

提供:正能茉優

かつてのお泊まり女子会といえば、高級外資系ホテルのスイートルームが鉄板だったが、「最近の女子会では、昭和天皇が泊まったという老舗旅館の貴賓室を貸し切ったり。ハッシュタグ『#』は、『天皇がお泊まりになった貴賓室』『天皇の間』『お風呂2つ』としてみたり」。みんなが外資系ホテルを利用するようになれば、「インスタ映えだけでは差別化できないし、目立てないから、そこにストーリー性を持たせる。でもそれが説明っぽくなると、つまらなくなる。ストーリーは『ハッシュタグ』で発信する」(正能さん)。

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正能茉優さんが考える2018年のインスタの注目ワードは「ストリージェニック」。

そもそも、「インスタ映え」は人から「いいね」と言われることが究極の目的だ。「みんながやっていないけど、それって素敵だね」というのが、「いいね」と言われる1つの要素。正能さんは「みんなと同じことでは投稿が埋もれて、新規性や希少性が保たれなくなる」と分析する。

2018年は、ストーリー性で差別化する波が来ると考える理由はそこにある。見栄え以外の、わかりやすい「価値」をどう見つけるかがポイントなのだ。

川端康成、貴賓室以外にも、ストーリージェニックになりそうなものには、こんな要素があるという。

・港区のタワーマンションに住むより、鎌倉の素敵な一軒家に住む方が素敵
・最新のブランドバックより、おばあちゃん、お母さんから、娘に引き継がれたものの方が素敵
・カフェの生クリーム山盛りのパンケーキより、自分で素材を活かした見た目のいいごはんをつくって「#〇〇ごはん」と写真を投稿する
・腕時計だったら、高級ブランド腕時計より、10年前に両親にもらった時計をずっと大事にする方が好きだし、素敵(正能さんの実話)

「思わずストーリーしちゃうっ」仕掛け

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ストーリーズを使った広告について話すSnSnapの堀夢菜さん。

「ストーリージェニック」には、もっと一般的な、もう1つの意味合いがある。24時間で投稿が消えるインスタグラムの「ストーリーズ」(通称・ストーリー)を利用した“映え”だ。

実は、1月に開く400人規模のパーティーの裏テーマは、『ストーリージェニック』なんです

SNSのフォトプリントサービスなどをする「SnSnap」の堀夢菜さん(27)はこう話す。パーティーでは、取引先やインフルエンサーを招き、動画で「思わず、ストーリーしちゃうっ」仕掛けをするという。

「超インスタユーザー」という堀さんは、「最近は、ストーリーばかりを使うようになった。(メイン画面の)タイムラインに投稿したのは直近で、10月、その前は9月、6月……。ストーリーだけ投稿している子が周りにいて、学生をヒアリングしても、同じ感覚」と言う。このため、2018年は「ストーリーを強化した広告が増えていく」と予測する。

フリックはもう嫌、タップで次に

ストーリーズで映える投稿とは?その時、その場の「ライブ感」を伝えるために、動画が重視されるほか、細かい使い方にもヒントがあるようだ。

「こうやって見るのがもう面倒で」と堀さんは、スマホの画面をフリックし、タイムラインをスクロールしながら話す。一方、ストーリーズは、タップをすれば、次の投稿に飛ぶことができる。「もうフリックは嫌になっちゃいましたね。タップがいいかな」(堀さん)。

タップをすることで、同じ画面でテンポよく投稿を見ていくことができる。外資系の自動車メーカーのストーリーズは、タップしていくと静止画と動画が交互に表示されて、1つの物語を表現していたり、あるモデルのストーリーズは、パラパラ漫画のようにコマ送りで投稿が流れたり、タップをしていくことで、1つの物語が完成するような仕掛けがある。

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2017年夏のローンチ以降、フォロワーを増やすストーリーズメディア「lute」。

ストーリーズを使った広告が増えるばかりか、ストーリーズで情報発信をするメディアも誕生している。カルチャー系の話題を取り上げる「lute」は、「日本初のストーリーズメディア」として、2017年夏にローンチし、半年経たずに1万5000近いフォロワーを獲得した。11月に8000万円の資金調達し、映像コンテンツなどに資金を投下していく。

2018年の「インスタ映え」は、表現の方法を変えて、さらに深化し、ビジネスの世界に広がりを持たせそうだ。(文、撮影:木許はるみ)

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