「ベーシックインカムの導入はまだ早い」とビル・ゲイツ氏

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Gus Ruelas/Reuters

ビル・ゲイツ氏はユニバーサル・ベーシックインカム(以下、UBI)の反対派ではない —— 貧困層を救うという意味では —— 。しかし、国家としてUBIを導入するのはまだ早いと考えている。

27日月曜日(現地時間)、慈善事業家でビル&メリンダ・ゲイツ財団の共同議長を務めるゲイツ氏は、ソーシャルニュースサイト「Reddit」でAMA(Ask Me Anything:「ビル・ゲイツだけど質問ある?」)において、UBIについての質問に対して、躊躇しながらも回答した。UBIは個人の職業や収入にかかわらず、政府が国民に無条件で現金を支給するという構想だ。

UBI賛成派は、ベーシックインカムによってすべての人の基本的なニーズが満たされ、その資金はトップレベルの富裕層に重く課税することで賄われるため、所得格差のギャップを埋めることができると主張する。

「時間とともにUBIを導入できる国家は増えるだろう」と、ゲイツ氏は語った。

「しかし、高齢者の支援、障害を持った子どもの援助、教育に携わる人を増やすなど、片付けなくてはならない課題はまだたくさんある」

ゲイツ氏がこのような緊急性の高い話題を持ち出すのはこれが初めてではない。2月に行われたQuartzのケビン・ディレイニー(Kevin Delaney)編集長とのインタビューで、ゲイツ氏は、UBIを導入する上で必須となる労働力の不足に言及している。

他の大勢の賛成派とは異なり、ゲイツ氏にとってロボット工学や人工知能による労働力の自動化、つまり職を失う人の増加が、UBIを支持する動機になっているわけではない。テクノロジーは膨大な富を国にもたらすとゲイツ氏は信じているが、ディレイニー氏とのインタビューの中で、その富が貧困に苦しむ人たちを救済するための施策に用いられることを願うと発言している。そうすれば自動化によって職を失った人たちは新たに訓練を受け、労働力が不足している分野で役割を担うことができる。

ともかく、国はUBIのような包括的な政策を実施するために必要な富をまだ持ち合わせていない、とゲイツ氏は述べた。

「米国でさえ、国民が働かなくなっては破綻してしまう。国民が働かなくても問題ないほど裕福になる日はいつか来るだろう。しかし、その日までは勤労所得税額控除などの制度が勤労意欲を高めるはずだ」

勤労所得税額控除(Earned Income Tax Credit:EITC)は、「マイナスの所得税」と言われる税制の1つ。定職に就いているが、ある一定額以下の収入しかない世帯は、確定申告の際、税金を支払うのではなく、政府からお金を支給される。この制度の目的は勤労意欲を高め、低所得層の家庭を金銭的にサポートし、理想的には貧困から抜け出す術を与えることだ。

ゲイツ氏は貧困層を助ける他の方法を提唱する。すなわち、開発途上国の国民にニワトリを寄付する方法だ。Heifer Internationalと協力し、2016年にはカンボジアで10万羽のニワトリを寄付した。

「このニワトリたちは繁殖を続けている。ニワトリの飼育ほどのリターンが望める投資は他にない」

ゲイツ氏はHeifer Internationalとのパートナーシップを公表した記者会見でそう語った。ニワトリを飼育する家庭は、食料や他の家畜を手に入れるために売却することもできれば、厳しい状況に置かれた時は食べることもできる。ただし、ニワトリと同額の現金を与えるというアイデアには憤りを覚えている

「空腹な人に魚を与えるのではなく、釣りを教えるという逸話と同じことだ。逸話のテーマがニワトリでも問題ないはずだ」

[原文:Bill Gates says it's too early for basic income, but over time 'countries will be rich enough'

(翻訳:Wizr)

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