スペースX(SpaceX)は、27日月曜(現地時間)、2018年後半には2人の民間人を「月への周回飛行」に連れて行く計画があると発表した。
実際にこの計画を成し遂げるのは、どれほど難しいのだろうか?
我々は、重力のおかげで地球で暮らすことができる。同時に、重力のせいで地球を離れることが難しい。
衛星は、惑星に「自然落下し続ける」のに十分なスピードで進み続けることで、重力に抗っている。遅すぎれば重力に引き寄せられて惑星に落下してしまうし、速すぎれば重力圏を外れて宇宙の彼方に飛んで行ってしまう。重力を元に計算された絶妙なスピードを保つことで、軌道に乗って飛び続けられるのだ。たとえば「国際宇宙ステーション」など、必要なスピードは17500 mph以上にもおよぶ。
しかしながら、もし惑星を脱出したいとなれば、そのスピードよりも高速で進まなければならない。重力圏を脱出するために必要なこのスピードは、「脱出速度(escape velocity)」と呼ばれる。
脱出速度に達するには、たくさんの燃料が必要だ。アポロの「Saturn V」などの初期ロケットが大型だったのはこうした理由からで、月まで行くために必要な燃料を機体に積み込まなくてはいけなかった。スペースXのロケットは「Saturn V」よりも少し小さめだが、人間を月に連れて行き、連れて帰ってくるには、さらに高機能でなければならない。
地球での打ち上げならまだいい。これが木星からの打ち上げでないことにマスク氏は安心しているに違いない。太陽系の惑星は、それぞれ重力の強さが異なり、それぞれの脱出速度も異なる。
木星の場合、135000 mphという考えられないほどの速さで進まなければ、重力圏を脱出できない。他の惑星をすべてまとめた重量の2倍の大きさがあるからだ。重力で引き戻されることなく木星からロケットを打ち上げるためには、それほど高速である必要があるのだ。
太陽系の惑星がそれぞれの重力圏を脱出するためには、どれほどの速さが必要なのか。下図を見てみよう。
Skye Gould/Business Insider
[原文:This animation shows how fast a rocket must go to leave every planet]
(翻訳者:にこぱん)