ウォルマートは顧客がアプリで支払いを済ませるシステムを試験導入した。
Reuters
ワシントン・ポストによると、米ウォルマートはスマートフォンのアプリを通じて買い物の代金を決済するサービスを試験実施している。
「スキャン&ゴー」(scan and go)と名付けられた同サービスは、Amazonが計画しているレジなし食品スーパー「Amazon Go」と非常に似ている。
同社の昨年12月の発表によると、Amazon Goでは買い物の決済がアプリ上で自動で行われるため、買い物客は商品をかごに入れ、レジに並ばずそのまま店を去ることができる。
ウォルマートのスキャン&ゴーも店内での買い物をより簡単にするため、類似の決済方法を採用している。さらに2月28日火曜日(現地時間)には、薬局での買い物と金融サービス店舗での手続き簡素化に向け、アプリに新機能を追加したと発表した。
改良版アプリは3月から一部店舗で使用が可能になり、秋までに全米の店舗に導入される見通し。
新機能によって、顧客はウォルマートのアプリから処方薬の再注文が可能になる。薬局に薬を取りに行く際にはアプリでコードをスキャンして薬剤師に通知、薬局スタッフが処方薬を顧客に用意する。アプリ経由の注文には専用窓口が設けられ、レジに並ぶ必要はない。
また、金融サービス店舗では、スマホから必要書類への入力が可能になった。顧客は店頭で書類に記入する必要がなくなり、書類入力後はアプリで手続きを完了できる。
アマゾンの新しい食品スーパー「Amazon Go」
Amazon
ウォルマートはこのほど、購入金額35ドル(約4000円)以上で、約200万種類の商品を2日以内に無料発送するサービスを始め、オンラインショッピングでもアマゾンを追いかけている。
ウォルマートの買い物客は、手数料や年会費なしに誰でも無料配送サービスを利用できるのに対し、アマゾンの2日以内無料配送サービスを利用できるのは、99ドル(約1万1000円)の年会費を払ったプライム会員だけだ。
ウォルマートが1月下旬に無料配送サービスを導入した際、アマゾンも非会員向けの無料配送サービスを実施したが、購入金額は49ドル(約5600円)以上と条件が付き、配送期間も2日ではなかった。
アマゾンは先日、無料配送を利用できる購入金額を35ドルに引き下げ、ウォルマートに対抗する姿勢を鮮明にした。
[原題:Walmart is going after Amazon's store of the future with no cashiers or registers(WMT, AMZN)]
(翻訳:日山加奈子)