スペイン政府女性理事の仕事は国民の「セックス推進」

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スペインでも少子化が加速している。

Andrew Burton/Reuters

エデルミラ・ パレイラ・ディズ( Edelmira Barreira Diz)氏は、スペインの国家的課題の解決という重責を担うことになった。彼女の仕事は、国民にもっとセックスをしてもらうことだ。

パレイラ氏は1月下旬、スペインの少子化を打開するため、政府の特別理事に就任したCIAによると、スペインの合計特殊出生率は1.49人(2016年)で、人口を維持するために必要な数値である2.2人をはるかに下回っている。

出生率が低迷を続けた結果、スペインでは2015年、数十年ぶりに死亡数が出生数を上回った。

低出生率は、経済危機の結果であると同時に原因にもなりうる。少子化が進めば、消費が減って国民経済の健全性は低下する。また、低出生率は経済がすでに弱体化していることも示唆している。国民は家族を持てるほどの経済力がないと感じているのかもしれない。

パレイラ氏は2月下旬、スペインのメディアに対し「少子化問題は一夜にして解決できるものではない」と語った

スペイン女性の初産の平均年齢は30歳を上回り、ヨーロッパの他国の女性よりも晩産傾向にある。さらにスペイン人は他のEU加盟国の国民よりも平均寿命が長い

スペイン新聞社 Faro De Vigoによると、パレイラ氏は今後数か月かけて、問題点を明らかにするという。パレイラ氏が「少子化問題の深刻さは、すでに失業率に反映されている」と語るように、スペインの若者の半分近くは無職だ。

「課題は山積みです」

パレイラ氏はFaro De Vigo紙にそう語った。

少子高齢化社会の到来を目の前に控え、パレイラ氏の「秘策」はまだ明かされていない。しかし、他国の事例から学ぶ機会はありそうだ。

スペインと同様、少子高齢化に直面する日本。政府は婚活パーティーや父親学級など、男性の意識を「巣作り」に向けさせるイベントを展開する(しかし根本的な問題は、日本の過酷な労働環境にあると主張する学者もいる)。

デンマークでは「Do it for Denmark」(デンマークのために"やろう")というテレビコマーシャルが放送された。世界最低の出生率にあえぐシンガポールは2012年に開かれたイベントで、「愛国心を"爆発"させよう」というあからさまなスローガンとともに国民に子作りを呼びかけた。

また、ロシアでは2007年に9月12日を「Day of Conception」(受胎の日)と定め、9カ月後の6月12日に出産した女性に冷蔵庫を贈呈している。

[原文:Spain just hired someone to solve its growing sex problem

(翻訳:Wizr)

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