GrailのCEO ジェフ・ヒューバー氏
血液検査でがんを診断する技術開発に取り組むスタートアップ、Grailが、9億ドル(約1025億円)超の資金を調達した。
Grailは昨年1月、遺伝子シーケンサー大手イルミナ(Illumia)に設立され、これまで同社やジェフ・ベゾス、ビル・ゲイツ、Google Venturesなどのシリコンバレー投資家から出資を受けている。
今回の資金調達で、Grailは以下の製薬、IT、医療大手から出資を受けた。
- ジョンソン・エンド・ジョンソン・イノベーション(ARCH Ventures Partnersとともにラウンドを率いた)
- アマゾン
- ブリストル・マイヤーズ スクイブ
- セルジーン
- McKesson Ventures
- メルク
- テンセント
- バリアン・メディカル・システムズ
Grailは「まだ始まったばかりです」とコメントした。同社は、今後のシリーズBラウンドで、さらに10億ドル(約1140億円)の資金調達を見込んでいる。
この初期資金の多さは、医療診断スタートアップの中で群を抜いているが、遺伝子解析分野で期待の企業はほかにもある。血液サンプルを基にがんの早期発見を目指すFreemoreは3月1日水曜日(現地時間)、Aラウンドで6500万ドル(約74億円)を調達。2015年から2016年にかけて、医療診断企業が調達した資金は総額約18億ドル(約2050億円)に達する。
血液検査によるがん診断は、現在は検知不能な血中に存在する極小のがん遺伝子を特定する方法で、GrailかFreenomeのどちらかがこれに成功すれば、血液検査でのがん発見に成功した最初の企業となる。その方法は血液サンプルを使用して遺伝子情報を収集し、がん治療において腫瘍が治療にどのように反応するか予測する 液体細胞診 に近い。
Grailは、血中のコレステロール値や血糖値を測定するのと同じように、1つの血液サンプルから遺伝子配列を検査し、がんの早期発見を目指す。
とはいえ正確な診断ができるようになるには、かなりの時間と膨大な臨床試験が必要だという。
Fast Companyによると、Grailはイギリスで50万人もの被験者を集め、臨床試験の実施を検討している。
source:Nasdaq、Fast Company
(翻訳:Wizr)