NRKbetaは、コメント欄の荒らし行為対策に取り組んだ。
The Simpsons/YouTube
ニュースサイトでは、読者が記事の見出しだけを見て、コメント欄に「怒りのコメント」を書き込むことがある。そうした場合、記事の趣旨は見過ごされてしまう。
ノルウェー放送協会(NRK)の技術部門NRKbetaは、この問題に対処する画期的な方策を考え出した。読者がコメント欄に書き込む前に、記事の内容に関するクイズを出すようにしたのだ。ニュースサイトNiemanLabが伝えた。
たとえば、Facebookで共有されている公開情報をユーザーが検索できるようにする「Stalkscan」というツールに関する記事では、以下のクイズが出題された。
- Stalkscanは危険でしょうか? (答:いいえ)
- Facebookが公開情報の検索を開始したのはいつ? (答:2013年)
- Stalkscanを開発したのは誰ですか? (答:Inti They Ceukelaire)
コメントを書き込むには、クイズに答える必要がある。
NRKbeta
NRKbetaのジャーナリスト、ストーレ・グラット(Ståle Grut)氏は「クイズで記事の理解が深まれば、より建設的な議論ができる」と語った。サイトの編集者マリウス・アーネセン(Marius Arnesen)氏は、「クイズに答える時間には、興奮した読者をいったん落ち着かせる効果がある」と述べた。
コメント欄を設置していないサイトも多い。コメント欄をFacebookに設置し、匿名で書き込めないようにしているサイトもある。NiemanLabによると、グーグルの親会社Alphabetはニューヨーク・タイムズ、ガーディアン、エコノミストなどのメディアと提携して、「有害な」コメントを除外するためのAIツールを開発している。
コメント欄の荒らし行為をなくすことは難しい。しかし、NRKbetaの斬新な試みは有望かもしれない。
source:The Simpsons/YouTube、NRKbeta
(翻訳:小池祐里佳)