「大麻ソムリエ」ジェシカ・カタラーノ氏
Courtesy of Jessica Catalano
5人に1人のアメリカ人が合法的に大麻を入手できるという。彼らは近所の薬局に立ち寄り、メニューからを選び(複数の種類がある)、医師の処方箋なしで簡単に大麻を購入することができるのだ。
大学時代のルームメイトのいとこの友達というような煩雑なルートを経由して大麻を入手していた時代は過去のものとなりつつあるが、どの種類の大麻がどのような影響をもたらすのか、そしてその大麻はどこからやって来ているのかなどについては謎の部分も多い。そしてこれらのスペックが常に明記されているとは限らないのが現状だ。
『The Ganja Kitchen Revolution』の著者でありシェフのジェシカ・カタラーノ(Jessica Catalano)氏は質の良い大麻についてよく知っている。彼女はそれぞれの大麻のフレーバーにマッチした料理を考案するカナビス料理というジャンルの先駆者であり、20年間にわたって大麻を使い続けている「大麻ソムリエ」でもある。
カタラーノ氏は偏頭痛を鎮めるために大麻を使用する。大麻を使った料理や大麻に合うディナーを用意する際、彼女は大麻のいくつかの特徴に注意を向ける。具体的には茎の部分が花に覆われ、ふわふわとした緑に包まれた密度の高い状態が良い。
「健康的な外見をしていることが重要なの。誰かがダイヤモンドや雪の結晶を大麻の上に振りかけたみたいにクリスタルで覆われているのが理想ね」
健康な大麻はクリスタルに覆われている。
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また、ほかにも着目すべき点がいくつかある。茶色やオレンジのしみは、暑すぎる環境で栽培されたことを意味する。固まりに密度がない状態の場合は、風の強い環境で栽培された可能性が高い。
収穫された大麻が棚に並ぶ前に「キュアリング」というプロセスが施される。これは花の部分から湿度を除去し、味と質を保存するためだ。大麻の茎の部分が完全に乾燥しているのは好ましくなく、指でつまんだ時に弾力性を感じるくらいがちょうど良い。つまんだ際にそのままの形状になってしまう場合、キュアリングのプロセスが上手く行っていない場合が多い、とカタラーノ氏は言う。
通常、薬局のカウンターには数種類の大麻のサンプルがジャーに入って置かれている。「バッドテンダー」と呼ばれる薬局の従業員に聞けば、それぞれの種類について詳しく知ることができ、場合によってはどの種類がオーガニックな環境で育てられたのかを知ることも可能だ。通常、従業員はある程度のトレーニングを受けており、大麻のそれぞれの種類の特性を理解している。
カタラーノ氏は色々な食べ物と大麻の組み合わせを試している。
Tyler Kittock
香りに関しては、好みであると言わざるを得ない。シトラス系の香り、コショウ系の香り、ベーキングスパイスの香りなど、それぞれの種類には異なった香りがある。色々試していると失敗することもある、とカタラーノ氏は警告する。
「Kongという種類をチョコレートチップクッキーに入れると美味しいと思ったの。だけど、Kongはとても強力な種類で、気化させると燃料みたいな味がする。あれはひどかったわ」とカタラーノ氏。だが、その後、彼女は研究を重ね、最高のコンビネーションを発見したのだ。
[原文:Here's what a 'pot sommelier' looks for when buying marijuana]
(翻訳:まいるす・ゑびす)