日産を救ったゴーン氏の次の目標は「三菱自動車の再生」

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かつての日産と同様に、2017年の三菱自動車はてこ入れが必要だ。

Bill Pugliano/Getty

倒産寸前の日産自動車(以下日産)を20年近く前に救ったカルロス・ゴーン氏が、新たな日本企業の再生に取り組んでいる。

三菱自動車だ。

Business Insiderのインタビューに応じたゴーン氏は「三菱自動車が正常な成長を取り戻せるよう、わたしの時間を捧げたい。彼らのチームをサポートしていく」と語った。

ゴーン氏の言葉は、日本企業の厳しい状況を控えめに表現したものだ。

1999年、ゴーン氏は日産の最高執行責任者(COO)に就任。それ以前の7年間、日産は損失を出し続けていた。かつての日産と同様、2017年の三菱自動車にもゴーン氏による「梃入れ」が必要だ。

2016年、三菱自動車は、中国と北米市場の販売台数が史上最高を記録する中、売上高1兆3418億円と前年から19%減となった。アメリカ市場におけるシェアは1%以下にまで低下した。加えて、複数の車種で燃費データの不正が発覚した。2016年、三菱自動車はまさにスキャンダルの渦中にあった。

1月下旬、日産とルノーの社長兼CEO、三菱自動車の代表取締役、そしてルノー・日産アライアンスの会長兼CEOを務めてきたゴーン氏は、4月1日付で日産のCEOを退任すると発表した。

目標は三菱自動車の復活だ。

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4月1日付で日産のCEOを退任すると発表。三菱自動車の“再生”に取り組む。

Harold Cunningham/Getty

2016年10月、日産は三菱自動車の発行済み株式34%を2370億円で取得。三菱自動車はルノー・日産アライアンスに加わった。

「三菱自動車に関してはいくつかの不幸な状況があったが、彼らをアライアンスの一員に迎えるチャンスがやってきた。我々はうまくいくと確信した。これは青天の霹靂などではない」とゴーン氏。

「彼らとはこれまでも協力関係にあった。多くのシナジーが得られると理解していたので、我々はすぐに合意した」

ゴーン氏以上に経費削減が得意なCEOはいない。日産では手始めに、5つの工場を閉鎖し、数千人の労働者をレイオフしたほか、調達プロセスを合理化することで、部品コストの20%を削減。また儲けの見込めない新型車の開発は認めなかった。

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三菱自動車の新車「エクリプス クロス」。販売台数が伸び悩んでいる理由は、独自に、幅広い車種の開発を行うリソースがないことだ。

三菱自動車

ゴーン氏は「コストキラー」という呼称でも知られている。

こうした取り組みの結果、日産は約2兆円の債務という壊滅的な状況から回復し、健全な成長を取り戻した。

ゴーン氏は、過去10年にわたって停滞している三菱自動車についても、再生方法を模索している。

「三菱自動車の大きな問題は、成長がないこと。長年にわたり、年間の販売台数が100万台前後に留まっている」

販売台数が伸び悩んでいる理由は、独自に、幅広い車種の開発を行うリソースがないことだ。日産・ルノーアライアンスの枠組みの中で、三菱自動車はプラットフォーム、エンジン、次世代のモデル開発を実現するリソースを手に入れることができる。

こうしたリソースを得ることで、開発期間が短縮され、費用対効果も上がり、三菱自動車のラインナップの改革は進めやすくなるとゴーン氏は語った。

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再建の過程にありながら、同社の象徴的存在としてゴーン氏が開発にGOサインを出したと言われる日産GT-R

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少なくとも当面は、日産やルノーの車をベースとして使うことで、三菱自動車のラインナップの穴を埋めることができる。

しかしゴーン氏は、企業再生にかかる仕事の大部分は、三菱自動車の内部で行う必要があると指摘する。

「アライアンスの技術やプラットフォーム、ベスト・プラクティスが利用可能になることで、三菱自動車はその企業カラーを残したまま、より幅広いラインアップを取り揃え、より競争力のある製品開発を行うことができるだろう。三菱自動車のブランドやデザインは日産やルノーとはまったく異なるものだ」

[原文: Carlos Ghosn saved Nissan — now he wants to do it again at Mitsubishi

(翻訳:編集部)

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