13年間連続の増収がストップした米スーパーマーケット大手のクローガー。
Business Insider
アメリカの大手スーパーマーケットチェーン「クローガー」は先週、同社の1年以上営業している既存店の直近の四半期の売上高が0.7%減少したと発表した。
これにより、13年間にわたって既存店の四半期売上高を伸ばし続けてきたクローガーの記録はストップした。
同社は食料価格の下落がその原因だとしているが、全米で店舗を拡大しているドイツのアルディ(Aldi)のようなディスカウントストアとの価格競争にも直面している。
2014年の価格調査によると、アルディの価格はクローガーに比べ約22%安かった。アルディはアメリカ国内で1600超の店舗を展開しており、今後2~3年以内にさらに600店舗をオープンする計画だ。
ウォルマートも食料品部門に投資している。同社は昨年、数百種類の食料品を値下げし、1200店舗でアルディに勝つための価格比較調査に乗り出したと報じられている。
Business Insiderが2015年の食料品価格を比べたところ、ウォルマートはアルディよりも30%価格が高いことがわかった。
ドイツ系のスーパー「アルディ」は全米で店舗数を拡大中。
Hayley Peterson/Business Insider
アメリカ市場に食料品を扱う新たなディスカウントストアが参入することで、さらなる値下げ圧力が強まることは避けられない。
ドイツのスーパーマーケットチェーン「リドル(Lidl)」は今夏、最初の20店舗をバージニア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州にオープンする予定。2018年半ばまでに東海岸を中心に100店舗を展開する計画だ。
Business Insiderが入手した同社の資料によると、リドルは最終的に全米で600店舗程度をオープンする計画だ。同社はこれまでにヨーロッパ27カ国で1万店舗を展開している。
イギリスではアルディやリドルの急速な成長が、国内の大手食料品チェーンの間に価格競争をもたらし、この10年間でそれらの売り上げを減少させている。
クローガーの13年にわたる連勝記録がストップしたことは、アメリカでも同様の価格競争が勃発していることを示している。ただし、食料品価格は今後も下がる見通しで、消費者にとっては朗報と言えなくもない。
[原文:Kroger's 13-year winning streak just ended — and it’s a warning sign for the entire grocery industry]
(翻訳:編集部)