時として不愉快なこれらのアドバイスは実は、よりよい人生を生きるためには、とても貴重なものだとモーガン氏は指摘する。
Business Insider
「自分では気づいていないが、緊張している時、わたしはコミュニケーションを拒否してしまう傾向にあるようだ。また、4人以上の集団の中にいると、いつも寡黙になってしまうらしい。猫背で姿勢も悪いそうだ」
元海軍兵士のアンジー・モーガン(Angie Morgan)氏にこのことを教えてくれたのは、友人や同僚、家族だ。モーガン氏はこれらのことを指摘された時、むきになって否定したが、ずっと後になって彼らのアドバイスがいかに的確かを実感した。
時として不愉快なこれらのアドバイスは実は、よりよい人生を生きるためには、とても貴重なものだとモーガン氏は指摘する。
リーダーシップとは何かを教え、それを実践で生かす方法を企業などに提案するコンサルタント会社リード・スター(Lead Star)を創業したモーガン氏は、共同創業者のコートニー・リンチ(Courtney Lynch)氏、ショーン・リンチ(Sean Lynch)氏とともに新著「Spark: How to Lead Yourself and Others to Greater Success」を執筆した。
モーガン氏は著書で、組織のどのレベルのリーダーも、自分についてのフィードバックを積極的に求めることが重要だと述べている。周囲の人間の方が、自分が知らない自分をわかっていることが往々にしてあるからだ。
モーガン氏はBusiness Insiderのオフィスを2017年3月に訪れ、簡単な質問を1つするだけで、誰でも周囲からのフィードバックを得られると話した。その質問とは、「わたしのいい点を2つ、そして改善できる点を2つ教えてくれませんか」というものだ。
「最初は『どこをどうすれば良くなるかなんて分からない』とか、『批判めいたことを言いたくない』といった返事が返ってくるかもしれないが、質問を続ければ、そして自分を守ろうと必死にならずに感謝の気持ちを表して、情報を得たいという気持ちを示し続ければ、相手は心を開いてくれる」
「同僚や周囲の人たちは、人間関係や仕事に関して、わたしたちの成功のカギとなる意見を持っている。みんな、わたしを毎日観察しているわけだから」
モーガン氏の考えは2007年に出版された「コーチングの神様が教える『できる人』の法則」(日本経済新聞出版社)に登場する、エグゼクティブ・コーチングの第一人者マーシャル・ゴールドスミス(Marshall Goldsmith)氏の言葉にも近い。
ゴールドスミス氏と共著者マーク・ライター(Mark Reiter)氏によれば、あなたが自分をどう思っているかは、周囲があなたのことをどう思っているかに比べるとあまり重要ではない。だからこそ、不愉快な意見は痛みを伴ったとしても、ほぼ確実に有益なものとなるのだ。
モーガン氏らは著書で、他者の視点を自分に取り入れる挑戦が重要だと述べている。たとえば、自身に対して「わたしは自分のことを信頼性の高い人物だと考えているが、わたしの同僚は、わたしが考えているようにわたしのことを考えているだろうか? わたしの上司は? わたしの友達は?」などと質問してみる。
他者の視点に映った自身の姿について考えることは、習得する価値のある習慣といえる。
ここでの目的は、職場などで自分が周囲に与えている人物像に振り回されることではない。
周りが自分をどう見ているかと、あなたが自分をどう見ているかは、必ずしも一致しないと自覚し、もしかしたら最高のあなたになるための手助けを、周りの人がしてくれるのかもしれないと認識することだ。
source:『 What Got You Here Won't Get You There 』
(翻訳:日山加奈子)