9人の建築男子が始めたシェアハウスの軌跡(三軒茶屋)

ROOMIEより転載(2017年3月8日公開の記事)

建築系企画事務所で働く奈良岳さんが暮らすのは、三軒茶屋駅近くの、築40〜50年が経過したレトロな一軒家。ここを上野黄さん、宮地健太郎さん、荻野高弘さんとともにシェアしている。なんとこの家は、自分たちで住みながらリノベーションをしているらしい。というのも彼らは全員、大学で建築設計や都市計画、不動産を学んでいたメンバーで、設計や施工の知識を持っているというわけだ。 とはいえ、どうやってそんなプロジェクトが始まったのか、具体的にどういう作業をしてきたのか……お話をうかがってみた。

この家はどうやって見つけたんですか?

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そもそもここで暮らす前は、それぞれが1人暮らしや実家住まいをしていました。みんな、千葉大学 建築学科のメンバーで「みんなでリノベーションしながら住めるところを探そう」という話になったのがきっかけでした。

DIYが前提の物件を掲載しているDIYPというWebサイトで三軒茶屋にいい一軒家を見つけて、即決したんです。集まったメンバーが9人いたので、千葉大学2人と友達のつながりで集まったもう2人が三軒茶屋、5人が別の目白の一軒家に別れて暮らし始めました。それが2015年3月頃ですね。以来、メンバーが入れ替わったりしながら、リノベを続けています。

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この家は修繕や内装工事をして、入居者が好きに仕上げるのを前提にした物件でした。キッチンやバスなどの水回りすらない状態で、そのままじゃ住めなかったですね(笑)。ただ、改装費用として100万円のオーナー負担がある点が魅力でした。定期賃貸借契約3年の家で、5年後には取り壊される予定なので、好きにしていいみたいです。

どのようにセルフリノベーションを進めたんですか?

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まずは住み始めながら、工事を開始しました。生活インフラがまったく整っていない状態だったので、シャワーとトイレ、最低限のキッチンを整備するのにまず20万円くらい使いましたね。季節は春だったし、古い木造住宅は夏も涼しいので、夜中も窓を全開にすれば問題なかったです。

結局、1階全体と2階の一部は100万円を使いきってリノベできました。

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断熱材がむき出し。

工事は、構造に関わるところ以外はやってOKな決まりでした。作業前に、オーナーに図面を送って事前申請しないといけないんですが、承諾を得た工事は原状回復が不要になります。黄さんが図面を書いてくれて、それで申請しました。

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1階は広いリビングにして、収納が多いキッチンと、靴箱を作ったりしました。トイレと風呂場はあまり手をつけていないです。

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2階は3畳の部屋、7畳の部屋、中央に広めのスペースがあって、3畳に1人、7畳にベッドや収納を作って2人、そして僕は中央スペースに壁を建てて自室にしています。はじめは壁を建ててなかったんですけど、あまりに丸見えなので建てました(笑)。

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材料はホームセンターで安く買ったり、知り合いからもらったり。床は2階だけ変えて、1階はもともとパレットを解体した廃材をフローリング代わりにして土足暮らししてましたが、あまりに汚れるので土足はやめて、杉の木を引きました。30平方メートルで10万円くらいかかりましたが、風合いが気に入っています。

リノベーションで、特に大変だったことは?

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やるべき作業がかなり多かったことですね。なにしろインフラも何もない状態だったので(笑)。はじめのうちは寝袋で寝て、毎週末作業をしていました。

でも、もっと手を入れやすい物件もあると思いますよ。それなら初心者でも、DIYして暮らせると思います。今は、DIYについてのHow toやツール、ノウハウを提供するサービスがネット上でも見られるし、たくさんありますからね。

ただ建築に詳しい人間が4人もいて、友人たちも集まってくれるので、作業の手には事欠かないですね。家具も、自分たちがもともと持っていたものや、もらいものがたくさんあるので、揃える必要がまったくないから助かりました。

いまの暮らし、どうですか?

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もともとは「シェアが目的ではない」と思っていたけど、実際にシェアハウスを始めてみると、すごくいいですね。飲み友だちがいつでも家にいるのが楽しいですし、イベントを開催するとか、この家が“人が集まる場所”になって、フレキシブルに使える拠点になっています。

特に2階はまだまだ手を加えたいところがありますけど、残り1年半で作業をしながら、みんなで楽しんで暮らしていきたいと思っています。

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編集部ノート

レトロな一軒家での暮らしを、満喫して暮らしていた「三茶ハウス」のメンバー。いちからリノベーションをするなんて大変そうと思うけれど、仲間で知恵を集めて作業をするのは、かけがえのない時間になりそうだ。

1階は2年かけてリノベーションをしていて、2階はまだまだこれから手を加えていく予定だという。

DIYを本格的に始めてみたいなら、DIY可能物件に絞って家を探すのもいいかもしれない。適度にものが溢れた一軒家は居心地がよく、つい何時間もいてしまいそうだった。

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