アメリカで飲料水の販売量が初めて炭酸飲料を上回る

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アメリカ人が飲むボトルドウォーターの量が炭酸水のそれを超えた。

Brian Smithson/Flickr

2016年はアメリカ人が炭酸飲料よりも水を多く飲んだ、史上初めての年となった。

ここ10年で急成長を続けていたボトルドウォーターの販売量が、ついにソフトドリンク飲料を上回った。コンサルティング会社ビバレッジ・マーケティング(Beverage Marketing Corporation)の調査によると、2016年のボトルドウォーターの販売量は前年比約9%増の128億ガロン(約485億リットル)に達した。

1人当たりの年間消費量では、水が39ガロン(約148リットル)で、炭酸飲料の38.5ガロン(約146リットル)を上回った。ちなみに、1990年代後半から2000年代はじめにかけて、炭酸飲料は毎年50ガロン(約190リットル)以上飲まれていた。

消費量が逆転した背景には、アメリカ人の嗜好の変化と甘味料入り飲料に対する不安がある。

ビバレッジ・マーケテイングのCEOマイケル・C・ベラズ氏は、「ボトルドウォーターは飲料市場を変えた。1970年代にペリエがアメリカに進出したとき、ボトルドウォーターがこれほど飲まれるようになるとは、ほとんど誰も予想しなかった。アメリカ人が水の入ったペットボトルを手に歩いたり、車のカップホルダーに入れてドライブするとは、想像もできなかったが、今では当たり前の光景になった」と語った。

しかし、この一見健康的に見えるを習慣を素直に受け入れられない人々もいる。

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Mark Dadswell/Getty Images

2014年には「ボトルドウォーターは今世紀最大のマーケティング戦略の成功事例だ」とする記事が掲載された。

甘い炭酸飲料より水を選ぶ方が健康的だという意識を、企業が人々に植え付けることに成功したというわけだ。

ただ、ボトルドウォーターは炭酸飲料ではなく、本来は、無料で環境によりやさしい水道水に取って代わる商品である。消費者は健康志向で違いがわかる自分をアピールできるから、水道水をコップに注ぐ方が2000倍安いにもかかわらず、ボトルドウォーターを選んでいるともいえる。

より安全な水だと宣伝されるボトルドウォーターだが、企業には水道会社のように水質基準値を明らかにする義務がない。製品の安全性を調査する消費者NPO団体が2008年にボトルドウォーター10ブランドを調べたところ、38件の汚染物質が発見されたほか、2ブランドの成分は地元の水道水となんら変わりがないことがわかった。

いずれにせよ、ボトルドウォーターの消費が今後も右肩上がりで伸びるのは間違いない。ペプシコとコカ・コーラは自社のウォーターブランドに多額の投資をしている。ペプシは新商品「LIFEWTR」のお披露目にあたり、スーパーボウルの30秒のCM枠を買ったほどだ。

飲料水の市場が炭酸飲料を超えた今、大手飲料メーカーはこのチャンスを逃すまいとしている。

[原文:Bottled water just surpassed a major milestone — thanks to the 'marketing trick of the century]

(翻訳:十河亜矢子)

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