メイシーズはT.J.マックスを真似しようとしている。
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米大手百貨店のメイシーズが、ディスカウントストアに変わろうとしている。
靴や化粧品売り場でセルフサービスのシステムを試しているメイシーズ。客は販売員からオススメの靴や化粧品が提供されるのを待つのではなく、自分で商品を見つけなければならない。
このシステムはアメリカで人気のアウトレットストア「T.J.マックス」や「ノードストローム・ラック」といったディスカウントストアの成功をまねしたものだ。
メイシーズはかつて、カスタマーサービスで他の小売店を寄せ付けなかった。
しかし同社の最高財務責任者(CFO)Karen Hoguet氏によると、今の客はショッピング中にこうしたサービスを求めていないのだという。
「多くの人々が『放っておいて、欲しい靴は自分で見つけるから』と言うのです」
フォーチュン誌によると、Hoguet氏はボストンで開かれたカンファレンスでこう述べた。
メイシーズがディスカウントストアをまねるのは、これが最初でもなければ、最後でもないだろう。メイシーズは今後のビジネスモデルに、よりディスカウトストアの要素を組み込んでいくようだ。
CNBCは「メイシーズのロジックにディスカウントストアの要素が入ってくることになるだろう」とのHoguet氏の発言を報じている。
メイシーズが店内に設けた安売りコーナー
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メイシーズは数年前、「Backstage」という低価格ブランドを立ち上げ、自社ブランド品を最大80%値下げして販売し始めた。その後、同社は「Backstage」のみを独立させた店舗を数多く展開し、昨年からは既存のメイシーズの店舗と入れ替え始めた。
同時に同社は店内に「Last Act」という安売りコーナーを設置。分散していた値下げ品を1カ所に集め始めた。
メイシーズは「伝統的な百貨店モデルが崩壊しつつあり、競争力を維持するにはよりディスカウントストア寄りのビジネスモデルが必要だ」と認識しているようだ。
既存店もしくは1年以上営業している店舗の売り上げは、祝日が多く稼ぎ時の2016年9~12月期で2.7%下がった。今年も2.2%~3.3%の減少を見込んでいるという。
シアーズやJCペニーでも、同期の売り上げは減っている。この3つの小売りチェーンが損失を抑えるために閉店する店舗数は、合わせて400近くにのぼる。
[原文:Macy's just signaled the end of department stores as we know them (M)]
(翻訳:山口佳美 )