『タイタニック』の製作費は他の作品を大きく引き離した。
20th Century Fox
アカデミー賞作品賞は低予算ながら魅力たっぷりのインディーズ映画と、巨額の製作費を投じた大ヒット映画との争いになることがある。そして、歴代の作品賞を振り返る際には、インフレ要素も加味しなければならない。
低予算と思われる映画であっても2017年を基準にインフレ調整すると、かなり高額になることがある。そこでアメリカのソーシャルニュースサイトRedditのユーザー、ジョー・ファルチェット(Joe Falchetto)氏は歴代作品賞の製作費をインフレ調整した数字をチャートにまとめた。
2位に数百万ドル以上の大差をつけて製作費トップとなったのは、1998年に作品賞を受賞した『タイタニック』。2位は2001年の『グラディエーター』、3位は2004年の『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』だった。
映画情報サイトBox Office Mojoによると、『タイタニック』の製作費(1997年当時)は約2億ドル。これを現在のドルの価値に合わせてインフレ調整すると、3億ドルに相当する。
インフレ調整後の製作費が低かった受賞作品は、『ムーンライト』(2016年)、『クラッシュ』(2005年)、『ロッキー』(1976年)などだった。
『クラッシュ』の製作費は640万ドルで、2017年の価値に換算すると約822万ドル。『ロッキー』の製作費は110万ドルで、現在の価値に換算すると約469万ドルになる。
製作費150万ドルで昨年公開(日本では今月公開予定)されたばかりの『ムーンライト』もインフレの影響を受けており、現在の価値だと151万ドルに上昇する。
以下のチャートは、アカデミー賞作品賞を受賞した直近50作品の製作費をインフレ調整して数値化したもの。
JoeFalchetto
[原文:The most and least expensive Oscar best-picture winners]
(翻訳:須藤和俊)