REUTERS/Brendan McDermid
アメリカの株価は記録的な高騰を見せている。そして、いまだに止まる気配はない。
株価上昇は「行き過ぎだ」という見出しが経済ニュースに踊っていたにもかかわらず、2月、ダウ平均、S&P総合500種、ナスダックの3つの株価指標は、揃って最高値を更新し続けた。
数カ月前の時点でも、株価はすでにバブル期並みのかなりの高値まで上がっていた。
証券会社レイモンド・ジェームズ(Raymond James)のジェフ・ソート(Jeff Saut)氏は、企業内部の関係者が過去6年で最高規模の78億ドル(約9000億円)相当の株を売却していると発表した。それでもトレーダーの92%は強気の姿勢を変えていない。
また、VIX指標(恐怖指数とも呼ばれる投資家の心理を示す数値)やイールドカーブ(利回り曲線)のフラット化は、市場が過熱しており、現在の活況が長続きしないことを示している。
こうした株価下落が差し迫っていることを示すシグナルにもかかわらず、市場に関する最新の予想は、強気だ。たとえば、BMO Capital Marketsのチーフストラテジスト、ブライアン・ベルスキー(Brian Belski)氏はその1人。経済ニュースチャンネルCNBCのコメンテーター、マイケル・サントーリ(Michael Santoli)氏は、ベルスキー氏の見立てをTwitterで紹介した。
サントーリ氏は、「市場は極めて特殊な状況にある。PER(株価収益率)が20%を超え、また株価は昨年から20%以上上昇している」と述べ、ベルスキー氏がまとめた表を紹介した。
ベルスキー氏は、「両方の数値が同時にこの水準を超えたのは、1954年以来、10回しかない」と顧客に伝えている。
同氏は、「我々はアメリカの株式市場が、何年も続く大相場のまっただ中にあると強く信じている」と述べている。ただし「状況はやや先走り傾向にあり、数カ月以内に市場はかなり上下するだろう」とも警告した。
下記のベルスキー氏の表によると、株価は年平均で3.9%上昇しているが、ITバブルを除くと、1.1%の上昇に留まる。株価が年間で20%上昇し、かつPERが「20」を超えた過去9回のうち、5回は株価が上昇している。
同氏は今後、収益の伸びが株価上昇に拍車をかけるとみている。「市場は、PER重視からEPS(1株あたり利益)重視に移行している」
ちなみに億万長者の投資家ウォーレン・バフェット氏は先日、株価は「安値だ」と述べた。
BMO Capital Markets
source:BMO Capital Markets
[原文:Stocks are in a 'rare state' — here's what happens when they get as expensive as they are right now]
(翻訳:十河亜矢子)